食糧と農業に関するFAOのグローバル情報・早期警戒システム

特別レポート

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朝鮮で続いている慢性的な食糧供給問題は大規模食糧援助への引き続く依存を暗示する

2000年6月7日

朝鮮が深刻な食糧不足の6年目に入るとき、制裁緩和と和平会談が同国の孤立をやわらげ、それゆえ、将来の食糧の非常事態に対する弱さを減らすかすかな希望の光が見える。

1995年以来繰り返し起こった自然災害からの荒廃にもかかわらず、朝鮮における慢性的な食糧供給問題につながった主要な要因は、特に旧ソ連と東側ブロック諸国との経済同盟の崩壊からの厳しい経済的縮小である。それまで、そうした関係は、集約的な農業システムを維持する上で必須であり、今なお何を、どれだけ生産しうるかを限定する厳しい土地と気候の制約を仮定すれば、絶対に必要であった。同国は、人口とその必要に比べてきわめて限られた耕地しか持たず、そして、実際上、年に5月から10月までのただ一回の主な作付けシーズンしかない。1995年から1997年までのようなこの期間のどんな自然災害でも食糧生産を深刻に損なうのである。

経済問題はまた、朝鮮に課せられた経済制裁によって一層ひどくされ、さらにそれは1990年代に拡張したグローバル市場との新しい経済的つながりを創り出す能力を制限した。ゆえに、制裁緩和をねらいとする最近の動きは、間違いなくポジティブな影響を与えるだろう。朝鮮に関する統計情報を入手するのは難しいが、利用できるデータは1990年代に国民所得と貿易の両方が急落したことを示している。

厳しい経済的衰退は、次に、食糧と、農業・製造業向けの農業投入物や原料を購入するための外貨の慢性的な制約に導いた。ゆえに、朝鮮は数年の間、その人口を食べさせるのに十分な食糧を生産するか、または、不足を満たすための差を輸入することがどうしてもできなかった。この5年間、少なくとも最低限の食糧保障を確保するために開かれた唯一の頼りは大規模な国際食糧援助だったのであり、それは、特に老人や子どものような傷つきやすい集団の間のひどい栄養失調と死亡に対処する上で必須のものだった。

こうした困難な年月の間、また、朝鮮の政府と人々は食糧不足から生じている苦難に対処するために凄まじい努力をなしてきた。国全体で見ると、そうした努力には次のようなことが含まれる。つまり、国家計画における農業と食糧生産の優先化、農業の必要に対処するための人々の大量動員、個々の家庭菜園での栽培の機会拡張、バーター取引を通じて中国から食糧を輸入するための各道へのより大きな自治権の賦与、海外の朝鮮系の人々からの外国送金、そして、ジャガイモのような従来からのものでない食糧の消費促進運動である。

また、FAOの支援で行なわれた二毛作計画は、コメとトウモロコシの主な作付けシーズンに間近に先立つ何ヶ月かに小麦と大麦の追加の作物が生産されるのを可能にした。これは、ジャガイモと共に、6月から9月までの深刻な端境期の間にいくぶん食糧不足の負担を減らすのを助けた。

そうした措置にもかかわらず、現在、朝鮮の決定的な食糧援助セーフティ・ネットを、悲惨な結果なしに取り除くことはできないというのは、ほとんど疑いがない。2億200万米ドル相当の最新(1999−2000年)の食糧緊急活動(EMOP)は、FAO事務総長とWFP専務理事によって合同で承認されたものだが、特に子どもたちの傷つきやすい集団の生命を救い、その健康を改善するのをねらいとしている。以前のEMOP活動では、それに応じて国際的な反応は寛大だったのであり、必要食糧の80パーセント以上をすでに満たしてきた。しかしながら、災害や飢饉に見舞われている他の諸国からの要請と競合するにもかかわらず、同国が困難な端境期に入り、主な収穫は数ヵ月先であるので、活動の残りの部分のための引き続く国際支援は絶対必要である。国際的な援助はまた、資源不足で制約され続けている国連農業復興・環境保護プログラム(AREP)を通じての農業復興のためにも必要とされている。

国連食糧農業機関(ローマ)

人道支援は短期的には不可欠であり続けるが、より長期的には、食糧生産を増加し、商業輸入を通じてどんな不足もカバーするための同国の両方の能力の改善に拠るような経済復興と世界の中でのより強い貿易ポジションが、食糧安全保障を改善する上で必須となろう。この点については、最近、慎重な楽観論を支える兆候があり、それは予見しうる将来の改善を示唆する。これらには、部分的な制裁緩和といくつかの諸国との外交関係改善が含まれる。また、より多くは、6月中旬の朝鮮と韓国との間で予定されている和平会談に拠るだろうが、それは、同国での投資、経済復興、ゆえに、食糧安全保障のための全体的な環境をかなり改善しうるだろう。FAOとWFPの作物・食糧供給査定調査団が、現在の食糧供給事情と今年の穀物生産の早期見通しを査定するために6月末に朝鮮を訪問する予定である。