世界食糧計画(WFP)
2000年6月30日

WFP朝鮮民主主義人民共和国最新情勢 No.18

http://www.reliefweb.int/w/rwb.nsf/6686f45896f15dbc852567ae00530132/
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2000年6月

2000年農業シーズンの見通しは、懸念化しつつある。4月以来ほとんど降雨がなく、トウモロコシについては干ばつの切迫の兆候が報告されている。小川、河川、ダムの水位はきわめて低く、トウモロコシと稲の灌漑の両方に影響するだろう。

WFPの緊急事態職員は、あらゆる道の当局が非常に心配していると報告する。朝鮮(DPRK)の地形では国全体でいろいろな局地的気候が見られる。しかし、このシーズンは、届けられる報告は類似している。つまり、コメの遅い植付け、寒冷な冬、通常より高い気温、少ない降雨、そして、低い水位。

状況をさらに悪化させているものは、害虫の横行の水準だ。ヨトウムシやトウモロコシ・キクイムシはすでに咸鏡南道や江原道の低地地域で発生している。

現在、フィールド調査をしている農業顧問は、この害虫発生の証拠を確認し、50万トン足らずと見込まれるトウモロコシ収穫のうち、約40万トンは害虫の影響を受けるかもしれないと政府から知らされた。この発生を抑制しうる唯一の方法は、殺虫剤を通じてである。6月半ばまでにFAOは、1998年に朝鮮でヨトウムシとトウモロコシ・キクイムシを首尾よく抑えるのに使われた殺虫剤30トンを配送するつもりである。これは、もっとも被害を受けやすく、しかも、生産の多い地域に分配されるだろう。

FAOとWFPのシーズン中の食糧・作物査定調査が6月20日から30日まで行なわれた。報告書は7月に出る予定である。

公共配給制度

公共配給制度は、2000年6月23日に穀物の配分を完全に停止した。これに先立つ配給量は、1日1人当たり150グラムだった。

商業的に生産された代用食品の配分は、国のあちこちで異なっていた。たとえば、被害のひどい北東部の咸鏡北道ではどんな代用食品も配給されておらず、人々はWFP食糧援助か野生の食料に依存しているだけである。平安南道とナンポ市では、トウモロコシ40%に野菜や食用の野草が60%でできている代用食品が配給されていると緊急事態職員は報告する。

立ち入り

4月と5月に禁止された3つの郡への立ち入りは復活された。テチョン(平安北道)、ヨンタン(黄海北道)、ケポン(ケソン市)が分配リストに復帰した。

立ち入り 163郡
立ち入り不可 48郡
全郡数 211郡

現地生産

ピョンヤン、ハムフン、チョンジン、それに、シンウィジュに新たに設置された施設でのビスケット生産の試験期間が終わり、通常生産が開始された。

5月の777トンから6月の1,894トンへと、6月にはビスケット生産が倍増以上となった。

         (トン)
6月生産
累積
混合食品
252
4,443
ビスケット
1,894 6,414

WFPの混合食品専門家が、進捗状況を査定するため朝鮮を訪問した。ウォンサンとケソンの補修見込みのある施設を7月に視察するだろう。

モニタリング

今月、モニタリング訪問の数はかなり減った。朝鮮−韓国首脳会談期間中の旅行制限のため、6月1日から23日までWFPの地方事務所は閉鎖された。

この期間中、緊急事態職員と彼らの朝鮮人同僚たちは、ジェンダー意識、文書作成技能、コンピュータ操作技能、それに、「労働のための食糧」活動や現地生産についての訓練講習など、多くの講習会や討論会に参加した。これら2週間は、国際的および国内的な仕事仲間の間の勤務上の人間関係を強化するのに大いに役立った。

総計121回のモニタリング訪問が実施された。

家庭訪問 17
水害対策委員会/
公共配給制度
29
労働のための食糧 32
病院 5
幼稚園 11
現地生産 2
託児所 15
学校 10
6月総計 121

緊急事態職員は現地生産施設を定期的に訪問しだしたので、今月のモニタリング・グラフには新しいカテゴリーが入っている。

配送

2000年6月中にはWFPへの新たな寄贈はなかった。WFPは、脆弱な集団に食糧を送りつづけるために穀物と豆類を緊急に必要としている。

朝鮮人道支援についてのNGO会議

朝鮮への人道支援に関する国際的な情報を共有するための会議が、2000年6月30日から7月2日まで日本で開かれた。WFP代表とOCHA人道調整官、WFP食糧援助リエゾンユニット代表、朝鮮でプログラムを実行しているNGOのドイツ・アグロアクションとチルドレン・エイド・ディレクトの代表、それに、カリタスを含む朝鮮への援助提供NGOの代表がプレゼンテーションを行なった。会議の結果、より広範な情報共有ネットワークの確立に合意した。

到着食糧

今月の到着食糧は、オーストラリアからの小麦13,450トン、日本からのコメ30,000トン、アメリカからの寄贈品である、現地生産用のドライ・スキムミルク1,174トンである。

職員

WFPは朝鮮で勤務する38名の国際職員を擁している。50%は男性で、50%は女性である。27カ国の国籍が代表されている。

1999年7月〜2000年6月までの1人当たり食糧配分量

         機関ごとに配送された食糧(トン)
総人口 WFP PVOC FALU EU 総計
咸鏡北道 1,841,619 67,929 24,535 3,897 96,361 52 37
咸鏡南道 2,507,674 90,112 22,931 5,735 118,778 47 36
ケソン 356,337 14,691 556 15,247 43 41
ナンポ 777,660 27,191 2,955 160 30,306 39 35
両江道 520,402 16,328 2,605 870 19,803 38 31
平安北道 2,141,477 64,044 12,478 266 2,000 78,788 37 30
江原道 977,527 30,250 2,000 2,715 34,965 36 31
黄海北道 1,622,300 44,591 10,120 54,711 34 27
ピョンヤン 2,859,500 80,919 544 81,463 28 28
黄海南道 1,563,127 7,024 8,678 25,692 41,394 26 4
慈江道 404,657 9,457 239 9,696 24 23
平安南道 2,863,582 12,901 13,376 40,325 66,602 23 5
総 計 18,435,862 465,437 99,678 14,982 68,017 648,114
                 A:全機関による1人当たりキログラム
                 B:WFPによる1人当たりキログラム
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【訳注】
PVOC:アメリカ民間ボランティア組織コンソーシアム
FALU:食糧援助リエゾンユニット(主にヨーロッパNGO)
EU:欧州連合