朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)のための諸機関合同要請


UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA)
19 Nov 2002


http://www.reliefweb.int/w/rwb.nsf/6686f45896f15dbc852567ae00530132/
96b6c5fc02925530c1256c6f003815ce?OpenDocument


危機の主たる特徴

100万トン以上にのぼる国内食糧供給不足により640万人以上の人々が脆弱な状態におかれている。

220万人の7歳以下児童が、栄養失調のリスクに直面し、成長が阻害されている。

42万人の妊婦および育児中の母親が貧弱な栄養状態におかれ、鉄分不足と貧血状態におかれている。

不適切な生殖医療により出産時死亡率が増加している。

390万人の児童が学習能力を減退させており、教育の質が低下している。

ほとんど全人口が、食糧不足と基本的社会サービス、特に保健水道、下水、教育などの悪化に瀕している。

持続的な経済回復なしには、9年目になるこの危機は克服されない。



将来への希望

2002年にDPRK政府は、経済再生をめざして多くの改革を新たに開始した。これと並行して、一連の外交的決定により、韓国との合意が実現し、日本との関係改善、合衆国との対話再開が実現した。半島における安全保障上の懸念を減少させることにより経済回復に寄与するのであれば、これらの決定は支持されるべきものである。

人道団体にとっての作業環境は好ましい方向に変化しており、通信設備の改善、栄養調査の実施、医療活動に関する制約の緩和やモニタリングの改善など、長年にわたった課題が解決に向かっている。特に立ち入りの問題について改善の余地はあるものの、全体的にはこれら内的および外的変化は将来への希望を与えるものである。



人道的対応

危機に対する人道的対応は、いくつかの点で環境の変化を反映する。第一に、人道支援は依然として必要であり、変化が速ければ速いほど弱者に対応する必要性が大きくなるということである。第二に、合同要請機構(CAP)は、移行過程にある国に対して既成の処方箋はあり得ないという命題に基づいている。人道問題と開発問題の両者を解決し得るような、柔軟で総合的なアプローチが求められる。2003年に、CAPは国連の合同国別調査(UN Common Country Assessment)と国連の開発支援機構(UN Development Assistance Framework)らと並存することになろう。第三に、CAPは利用可能な財政的、人的資源にもとづいて現実的な目標を設定しても、DPRKにおける人道支援には限界があることを認識している。この方針は、現実的なプログラムにもとづいた対応とともに、充足されないニーズに関する呼びかけの結果に負うところが大きい。これは国際社会が解決することができないと政府が予想形成することを回避するねらいもある。

最後に、CAPは人々の基本的ニーズに応えることをめざしているが、その中でも最も基本的なものは健康的な生活と、教育を受けることである。このためには安全な水道と下水、基本的医療サービスを受けること、そして飢餓の根絶が求められる。DPRKの緊急事態への人道的対応は人間の進歩に関わることであるが、それは人々の基本的ニーズを満たし、彼らが彼ら自身の主導により、彼らの能力でもって彼らの問題を解決するための選択肢を拡大することから始まる。そのことは人間の能力を開発し、人々がやることのできる活動の領域を広げることを通じて、自立をめざすことである。そのような取り組みの重要な柱は、能力開発と知識の向上を内容に含めることである。国内の相手側機関を強化することは、人道的対応の効率性だけでなく開発への連続性を強化することになる。



戦略的目標

2003年における人道的パートナーにとって最も重要な目標は、総合的で、人権を基本とする方針により、子供たちや女性などの弱者集団の命を守り、福祉を向上させることである。今後2,3年の間、CAPの国内チームは、全体的人道状況を改善するため、次の戦略的目標を設け、その達成に向けて現実的に取り組む意向である。

・人々の基本的ニーズと権利を満たし、自立に向けて取り組むこと

・究極的には経済回復につながる将来の開発のため、基盤を強化し能力を開発すること

・家庭は社会の基本細胞であるとの認識のもと、社会、組織、そして家庭の能力を開発すること


     2003年の資金要求に関する表

   部門           要求額(US$)
            国連機関      NGO
  食糧支援     197,166,595
  保健と栄養     14,554,350   2,457,000
  水道と下水     2,509,500   1,945,000
  教育         845,250    350,000
  農業        4,066,000    820,000
  調整         577,980
    計       219,719,675   5,572,000
  合計(国連機関とNGO)      225,291,675



朝鮮民主主義人民共和国のための2003年国連諸機関合同要請より(2)へつづく