米朝戦争の「強い可能性」とカーター氏
      Carter: U.S.-Korea war seems 'strong possibility'

USAトゥデー電子版
http://www.usatoday.com/usatonline/20030902/5460386s.htm

ジミー・カーター

我々は、新たな朝鮮戦争の強い可能性に直面しており、それは潜在的に甚大な結果をもたらすものなので、継続が危ぶまれている北京での多国間協議はものすごく重要だ。ピョンヤンとワシントンの間で何らかの妥協に至ることが不可欠だ。

朝鮮は孤立した国で、欠乏にみまわれ、猜疑的で、明らかに自己犠牲的で、いま示されているように国際的対立で驚くほど頑固だ。たとえ国際的な非難や最も厳しい政治的、経済的圧力に直面してさえ、後に引かないのが朝鮮の指導者たちの文化的な、そして、ほとんど神聖ですらある責任なのだ。

こうした頑固さのかつての事例は1968年に起こっており、それは朝鮮がアメリカ海軍の情報収集船プエブロ号を拿捕したケースだ。国際的な支持も集めて、経済的懲罰と軍事的威嚇で説き伏せようと、リンドン・ジョンソン大統領が目覚しい努力をしたにもかかわらず、金日成主席は彼の基本的な要求を決して変えず、自国へのアメリカの「スパイ活動」について公式謝罪せよとアメリカを当惑させた。11ヵ月後、ジョンソン大統領はあらゆる要求を受け入れ、乗組員は解放された。

彼らのひどい経済的失敗とその結果としての人民の困窮にもかかわらず、朝鮮の指導者らは軍事力への傾倒から決して逸れない。朝鮮は手ごわい軍隊を維持し、アメリカの攻撃や反撃で彼らがいかに大きな懲罰を被らねばならないとしても、ソウルや韓国北部に甚大な破壊をもたらしうる大砲やミサイルを配備している。先進的なロケット工学の発達や現在の潜在的な核兵器能力は、彼らの科学技術資源のさらなる証拠だ。

1994年の回避

1994年に別の危機があったが、その時、金日成は国際原子力機関の査察官を追放し、原発施設からの使用済み燃料棒8000本の再加工を始めると威嚇した。アメリカ政府は朝鮮指導部との話し合いを拒否し、経済制裁と軍事攻撃の計画を立案した。危機がエスカレートしたので、カーターセンターは、ついにクリントン大統領からしぶしぶ、私のピョンヤン訪問の許可を受けた。満足のいく協定が締結され、その後、両国政府によって確認され、韓国、日本、その他の国々も参加した。しかし、どちらの側も、約束のすべては尊重しなかった。

やっかいな行動

事態は再び急激に悪化している。朝鮮は、次のような事柄でますます脅威が迫っていると感じている。つまり、「悪の枢軸」メンバーと烙印を押されたこと、アラスカへの迎撃ミサイル配備、軍事的威嚇を表現するワシントンの声、朝鮮船舶の拿捕、金正日委員長への対人攻撃、クリントン大統領や韓国指導部による問題の平和的解決のためのかつての努力にたいする非難、それに、朝鮮との直接交渉のアメリカの拒否だ。先制攻撃戦争と核兵器先制使用というアメリカの新たな政策もまた、朝鮮人を懸念させている。

こうした最近の脅威以前ですら、朝鮮人たちは秘密の不正な核計画をはじめていた。彼らはすでに核兵器開発に全力をあげはじめ、2003年末までには半ダースくらいの核爆弾製造が可能で、以後毎年同じくらい製造可能になる。これらは、朝鮮によって使用されうるし、あるいは、他国やテロ集団に売却されうるのだ。このことは、今や地域と世界の平和にとって、断然、最も深刻な脅威だ。

その他の問題もあるが朝鮮人の基本的な要求はアメリカからのしっかりした不可侵の約束であり、アメリカ高官たちはそれを拒否し続けている。アメリカは、まず先に朝鮮人の核計画の完全な終結を強く要求しており、彼らはその受け入れを拒否した。もし、どちらも譲らず、妥協しないならば、その時は、最終的に軍事衝突がありうるように思える。アメリカは勝利しうるだろうが、朝鮮と韓国の双方でものすごい人的犠牲が出るだろう。

朝鮮が脅威的な核保有国になることを防ぐ検証可能な保証がなければならないし、同時に、平和的な朝鮮をアメリカが攻撃しないというしっかりした約束がなければならない。今や、我々の2つの政府間で持続可能で柔軟な外交を行なう時だ。核兵器のない朝鮮半島に平和と経済発展の機会を与えるために。


ジミー・カーター元アメリカ大統領は、アトランタにある平和と保健を促進するNGO、カーターセンターの代表である。