Consolidated Appeals Process (CAP):

Humanitarian Appeal 2004 for Democratic People's Republic of Korea

国連合同要請機構(CAP):朝鮮民主主義人民共和国のための2004年人道的アピール

(2003年11月)

UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA)

http://wwww.reliefweb.int/w/rwb.nsf/6686f45896f15dbc852567ae00530132/70d6b363abe71ac5c1256de1004906a0?OpenDocument

目次

1.総論

2.年次総括

2.1 人道状況の変化

2.2 財政についての概観

2.3 モニタリング報告とモニタリング結果表

2.4 得られた教訓

3.人道状況の文脈

3.1 問題の分析

3.2 人道原則と人権

4.今後のシナリオ

5.戦略的目標

付録T 2003年度アピールへの資金提供者の対応

表T 機関別要請額と達成状況

表X 主な資金提供者と拠出額

表Y 主な資金提供者と拠出額総計

1.総論

朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)における危機的状況への人道的対応は、継続する経済難と国際的な対応の減退の中でなされている。それらは共にこれまでの人道支援活動の成果を脅かすものである。DPRKの人道状況の危機はいまだ過ぎ去ってはいない。何百万もの人々が栄養状態と基礎的な健康とを深刻に脅かされうる危機に直面しており、彼らの生活状況を保護・改善するためには、支援は必要であり引き続き重要な役割を担うものである。DPRKでは健康に関する諸々の指標が悪化の傾向を示している。9%の子供達が急性の栄養失調に苦しんでおり、一方、両江道などの国内の一部地域では、45%以上の子供が慢性的な栄養失調(発育不良)状態にある。貧血は子供たちだけでなく妊娠中の女性の30%にもみられる。妊産婦の死亡率は1993年に比べて倍増しており、重要な関心事となっている。水資源は豊富であるのに、水道設備の不備と電力不足のために、多くの少女や成人女性は不衛生な水を得るために日に何時間も費やさなければならない。

それでもなお2003年には、国際社会の対応は人々の基本的ニーズを多少とも満たすために大きな前進をみせた。1998年に62%であった慢性的な栄養失調の割合は、2002年には42%へと下がった。この成果は部分的には国際社会によってなされたかなりの人道支援、特に食糧支援によるものである。2002年には35万人以上が質・量の両面での水利用状況の改善と、それにともなう栄養状態の改善を享受することができた。また人道支援によってマラリア感染件数は12ヶ月間で72.3%(185420件から38920件へ)も減少させることができた。こうした成果は、対象を明確化してなされる支援が社会的弱者の生活に即座に十分な影響を与えうることを示している。

したがって「2004年DPRKのための諸機関合同要請」に参加している諸団体の戦略は、子供や女性を含む社会的弱者の生命を保護し、生活状態を改善することを目的とするものとなる。2004年の人道的対応は2003年のそれよりも更にバランスの取れたものでなければならない。2003年には食糧に関しては比較的よい対応がなされた一方、水・衛生および保健に関しての対応は不十分であった。これら後者の領域をなくしては、食糧に限ってみても更なる成果を期待することはできない。そのため支援のバランスを取り戻す必要がある。これは食糧支援を減らすことではなく、その他の領域への支援を強めることを意味する。しかしながら、こうした人道的対応のみではDPRKが深刻な経済難を克服することはできない。DPRKは多くの分野において明らかに支援を必要とするが、開発への支援はいまだなされてはいない。人道的対応は多くの人々の生命を救いはするが、しかしそれは人々の生活環境を整えるものではなく、社会の復興を目指すものではなく、また経済を再建するものでもない。開発への支援が行なわれるようになるまでは、人道支援の努力は継続されなければならないだろう。

DPRKは人道支援と開発支援の両方を必要としている。合同要請機構(CAP)は緊急に必要とされる人道支援の活動調整と資金集めという不可欠な役割を果たしている。同時に人道支援団体と政府とは開発のための計画策定が重要であるという点で合意している。したがって現在の状況に対するCAPの役割を維持すると同時に、国連開発支援機構(UNDAF)に準じた活動も開始されているのである。これらの枠組みの協調によって、緊急支援と開発という二つの要請はともに満たされることになる。人道支援と開発支援の要請にたいするこの二本立ての取り組みは、一方を他方に置き換えるという短期的観点に基づくものではない。現状では両方の枠組みが必要とされているのである。

DPRKで活動する人道支援団体への世界各地からの寄付のおかげで、2003年の活動のうち、全体の56.43%が資金提供を受けることができた。2004年にはCAPの戦略に基づく計画のために総額で221,224,079米ドルが必要とされる。その戦略は、国連諸機関、非政府組織(NGO)、国際赤十字社・赤新月社連盟(IFRC)、そして二国間支援を行なう常駐の機関からなるCAPの国内チームによって作成されたものである。いくつかの例外を除き、世界食糧計画(WFP)の食糧支援リエゾン・ユニット(FALU)によって運営されている非常駐のNGOも、常駐のNGOと同様にCAPを支持している。資金提供者の関心は、人道支援と復興のための必要をともに満たすうえで、特に草の根レベルの活動においてNGOが果たす重要な役割に向けられている。

DPRKのための国連諸機関合同要請2004

機関別要請額(2003年1030日現在)

要請機関

要請額(US$)

ADRA

303,800

AFMAL

240,000

CESVI

450,000

CONCERN

1,104,000

DWH/GAA

2,158,000

FAO

3,510,000

HI B

425,000

OCHA

579,984

PU

1,229,000

SC UK

877,584

TGH

660,000

UNFPA

672,000

UNICEF

12,706,960

WFP

190,455,451

WHO

5,852,300

総計

221,224,079

※略号:ADRA(Adventist Development and Relief Agency – Switzerland), CESVI (Cooperazione e Sviluppo), CONCERN(Concern Worldwide), DWH/GAA(Deutsche Welthungerhilfe / German Agro-Action), FAO(Food and Agriculture Organization), HI B (Handicap International – Belgium) OCHA(UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs), PU(Premiere Urgence), SC UK(Save the Children – UK), TGH (Triangle Generation Humanitarie), UNFPA(UN Population Fund), UNICEF(UN Children’s Fund), WFP(World Food Program), WHO(World Health Organization)

部門別要請額(2003年1030日現在)

部門

要請額(US$)

農業

4,167,000

生活支援サービス

829,984

教育

924,000 

食糧

191,933,451

保健

18,649,844

水・衛生

4,719,800

総計

221,224,079

2.年次総括

以下の段落では、2003年にどのような流れの中で人道支援活動が行なわれたのかを概観し、2004年の活動に向けた指針を示す。2004年の計画がいかなる戦略の下で行なわれるのかに関心のある読者は、3章2節以下を参照。

2.1 人道状況の変化

外的環境における二つの出来事の影響を受けて、DPRKの人道状況は依然として困難を極めている。昨年度のCAPが作成されて以降、200210月の核問題の再燃による朝鮮半島の緊張は高まり続けている。このことは復興・開発の支援を通じて国家の能力形成を目指している国連諸機関とNGOの取り組みと努力の上に広範な悪影響を及ぼしている。さらに核問題の否定的な影響は、重度急性呼吸器症候群(SARS)によって一層深刻なものになっている。

重度急性呼吸器症候群(SARS)

DPRKでのSARS感染は報告されていないが、中国に隣接していることと国内の保健サービスの現状からすれば、SARSが流入する可能性は大いにあるだろう。病院の医療設備は劣悪で、水と電力の不足は病院の機能を著しく妨げている。このことは患者の適切な隔離と院内感染に対する適切な管理を難しくするだろう。そして適切な医療用品と設備の不足、および隔離治療の技術に関する知識不足は、この問題をさらに困難なものにしている。さらに患者一人当たりに対する看護士・医師の割合が国際的な標準と比較して低いため、集中的なケアを要する患者への応対は現在の看護士の能力では非常に困難なものとなる。SARS患者に対するケアは看護技能を必要とするのである。

SARSの国内への流入を防ぐために、政府当局は交通規制や旅行制限を含む実効的な対策をとっている。これらは世界保健機関(WHO)の技術的指針を超える措置ではあるが、それは国内でのSARS発生を阻止することが最優先の要請であるという背景のもとで理解されなければならない。3月の中国での発生以後、WHOは警戒を呼びかけSARS対策を講じるよう保健省に対して促してきた。SARSの急速な成長と拡大、そして保健職員が海外の最新の保健情報へのアクセスを持っていないという事実をかんがみれば、これはとくに重要なことである。またSARSの二次的な影響はDPRKの経済への悪影響であった。

衛生状態の改善と全国の病院での感染予防のための取り組みは、IFRC、国連児童基金(UNICEF)、そしてWHOの協調のもとでのSARS対策活動の一環として行なわれた。NGO Premiere Urgenceは、国連人道問題調整局(OCHA)のNGO基金機構とWFPの支援を受けて、SARS対策指定病院であるアンジュ市人民病院に十分な隔離設備を整備した。

核問題

200210月にDPRKで核問題が再燃して以来、DPRK、韓国、日本、そして米国との関係は徐々に悪化している。これは複雑かつ多面的な問題である。それぞれの当事国の利害に関わりなく、開発計画への影響は深刻なものであった。8月27〜29日の北京での六者協議は、中には肯定的にみる評論家もいたが、結局どの当事国からも十分な変化を引き出すことはできなかった。

大部分の資金提供者は政治と人道支援とを区別してはいるものの、外的環境の深刻な悪化はDPRKへの支援のレベルに影響を与えている。直接的な人道支援活動を通じて最も脆弱な人々のニーズを満たすという共通人道活動計画(CHAP)の短期的な目標は、人道支援への資金提供者が出し渋りしていることによって妨げられている。そして将来の開発のために支援基金を強化し、人々の能力形成に努めるというCHAPの戦略的目標もまた、外的環境の悪化によって妨げられている。というのはこの目標を達成するためには、復興・開発支援に対する資金提供者の積極的な参与が必要だからである。核問題が解決されない限り大部分の資金提供者が復興・開発活動を支援するようにはならないだろう。残念なことに、年来の資金提供者からの人道支援もまた大幅に減少している。

2003年の合同要請の「得られた教訓Lessons Identified」およびCHAPの序文に詳述されているように、人道支援活動を継続し、また同時に復興・開発のための望ましい環境形成を支援し呼びかけるためには国外からの参加者が緊急に必要とされている。そうした変革においては(および人道支援プログラムの撤退戦略の円滑化にとっても)国連諸機関を状況改善の導き手として認め、支持していくことが中心的な要件となる。しかしそれは持続可能かつ建設的な政治的解決がみられない限り起こりえないだろう。

2.2       財政についての概観

2003CAPでは最も脆弱な人々のニーズを満たすためには2億2500万米ドルの資金提供が必要であるとしていた。2003年1013日現在、国際社会によって約1億2940万米ドルがすでに寄付されるか寄付が確約されている。資金提供者の寛大な支援によって、2003年CAPの目標は達成に向けて大きく前進している。2003年の要請への資金提供状況は付録Tを参照。

2.3 モニタリング報告とモニタリング結果表

DPRKの危機的状況は数百万の人々を依然として生命の危機に晒している。大半の人道支援団体は救援物資の支援と基本的な社会サービスの供給に引き続き取り組んでいる。2003年には食糧部門への相当に十分な支援と水・衛生部門および保健・栄養部門への貧弱な支援との間の不均衡は、量と支援範囲の両面においてかなり顕著なものであった。支援の長期的な効果は後者のような部門の貧弱さによって阻害されてしまうが、それは(対象となる社会的弱者の食糧のニーズを満たし、栄養のある食糧をそれぞれの地域において生産し、「労働のための食糧Food-For-Work」計画を効果的なものとする)WFPの食糧支援の即時的な効果を何ら阻害するものではない。しかし支援のバランスを早急に回復することが求められている。これは食糧支援を減らすことではなく、その他の部門への支援を強化し、全体的によりバランスの取れた人道支援を保証することを意味している。

大半の支援団体はまた、彼等の活動方式の中に地域の能力形成という目標を組み込んでいこうとしている。地域の協力機関のうちにニーズに対するアセスメントとモニタリングの質を向上させようという意欲が強くなっているという。こうした肯定的な変化は、支援を必要とする人々へのアクセスが拡大されることを通じて後押しされうるものである。また、アセスメントの質と、その結果に基づきより効果的な支援と実践活動を行なおうという人道支援団体の能力との間には明確な関連性が存在する。

支援のバランスの不均衡にもかかわらず、戦略的目標に向けた前進がみられたことは非常に励みになるものである。2003年には国連の諸機関とNGOはその年の目標の26%を完全達成し、さらに60%を部分的に達成した。CHAPの目標のうち13%を達成しえなかったとはいえ、86%においてかなりの前進がみられたという事実は大きな成果である。この結果はまた、採用された人道的戦略に用いられる資源を動員するための計画実践の手段としてCAPが有効であることを確証するものである。食糧支援を除いて、さらに1100万米ドルの資金がCAPに折良く提供されていたならば、国連諸機関とNGOはCAPの目標の90%以上を達成することができただろう。詳しいモニタリング結果は付録Uを参照。

各部門の主な成果および制約は以下の通りである。

水と衛生

この部門への資金提供はかなり低いが、前年度からの繰越の資金によって十分な成果をあげることができた。DPRKにおける大半の人道支援は危機的状況をもたらす顕在的な原因にのみ対応しようとするが、水・衛生部門に関わる国連諸機関とNGOは、人道支援を効果的に用いることによって潜在的な原因のいくつかにも対応しうることを証明してみせた。この部門での成果はまた、過去18ヶ月間の欧州委員会人道援助局(ECHO)の率先した役割に帰するものでもある。UNICEFとIFRCとの密接な協調活動の下で、ECHOは協力機関と政府との対話を支援し、その結果活動環境を改善することに成功した。これにより既存の統計資料の利用と水質調査の実施可能性といった、水問題に関する開かれた対話が可能となった。現在ではECHOはこの分野における活動の中心的な支持者である。

UNICEFNGO、IFRC、資金提供者、WFP、そして政府の協力機関の一致した努力の成果は次の通り:

−上水道設備の復旧によって今ではジョンピョン、コウォン(ともに咸鏡南道)、そしてコサン(江原道)の約1万世帯が新たに清潔な水を利用することができる。コウォンおよびコサンにおいてWFPは「労働のための食糧」計画(FFW)を通じた(食料と労働器具の)支援を行なっている。Concern、CESVIDWH/GAA、およびTGHは、ECHOとの協力の下で、2002年度からの繰越金を用いて江原道、平安北道、平安南道の町や協同農場に住む12,250以上の世帯に清潔な水と衛生環境を提供した。

−国内の赤十字はIFRCと協力して、平安北道、平安南道の38,000以上の世帯がより容易に清潔な水を利用できるようにした。

−児童施設における衛生設備の復旧にかなりの進展が見られた。

−合わせて35,000人以上が昨年来の水供給支援計画から直接に便益を得た。水供給が質量両面において改善されることで、保険制度だけでなく一般家庭からも下痢に対する心配が取り除かれることになる。

もし国連諸機関とNGOに、ニーズに対するアセスメントや計画の実践、活動状況のモニタリングに際して現地の技術協力担当者との協議の機会が与えられていたならば、この部門での成果はもっと大きなものとなっていただろう。支援の実践はまた、地域における技術を持った人的資源の欠如と、その結果としての労働の低い水準によって妨げられていた。

保健と栄養

保健・栄養分野では包括的な改善が見られ、支援が対象を明確化してなされることによって大きな成果を得ることができた。

マラリアの劇的な減少への人道支援の貢献

1990年代に朝鮮半島では三日熱マラリアが再流行した。エネルギー不足に際しての除草剤使用の抑制や稲田への灌漑方法の変化が媒介昆虫の増加を促したものと思われる。マラリア感染者数は2001年には30万人にのぼり、流行病と呼びうるまでになった。

WHOを筆頭に、国際機関はマラリア抑制のために、2000年から2003年の間に技術、物資の両面においてかなりの支援を行なった。その総額は250万米ドルにのぼる。このような支援は韓国、スウェーデン、ノルウェーからの寛大な資金提供によって可能となった。技術的な支援のほかに、防虫剤を含ませた蚊帳、迅速な診断のための研究設備や治療を効果的なものにする抗マラリア薬の導入も支援の重要な柱であった。

2002年にはマラリア感染者数は20%減少した。しかし2003年には前年に比べて72.3%もの劇的な減少が見られた。2003年9月10日時点で報告されている感染者数は38,920人であるが、前年の同じ時期では185,420人であった。この成果はマラリア抑制計画への国際社会の支援に負うところが大きい。このことはDPRKの人々の健康に関する取り組みに明確な目的を持った人道支援がいかに効果的に機能しうるかを例証するものである。

この部門での主な成果は次の通り:

−国内の25の施設において約1万人の深刻な栄養失調の子供を治療した。

−政府による供給を通じて、ビタミンAと駆虫薬はDPRKのほぼすべての幼い子供たちに行き渡り、この地域で最も高いビタミンA摂取率を達成した。また、マラリア感染の報告は予防抑制政策のおかげで大きく減少した。

−WHOや他の関係機関の支持する「直接診療短期計画Directory Observed Treatment Short-Course」に基づいた結核抑制プログラムが、人口の100%を対象とするまでに拡大された。それでも2004年には約55,000人の新たな結核患者が予測されている。喀痰検査と治療による回復の割合は、それぞれ90%と87%と高く、国際的な水準を達成している。

−子供の病気・死亡の主な原因となる下痢と肺炎の治療のための基礎的な(きわめて重要な)医薬品の供給率が向上した。

−2003年のWFPUNICEFによる混合食品の共同生産は、年末までには27,000MTs〔MT=1000kg〕に達する見込みである。

−UNICEFやNGOの支援を受け、WFPによって現地生産される必要栄養素を強化した混合食品、麺類およびビスケットは、2003年には40,000MTsを超過し、280万人以上の子供や妊娠中および育児中の女性に配給されると予測される。

−WHO、IFRCそしてPUによる素早い対応は、SARSへの対策と予防において保健省を助け、その結果DPRKでのSARS発生を防ぐことができた。

−ポリオ根絶のための取り組みは順調に進んでいる。予防注射の接種率は70%以上であり、更なる増加にむけて準備が整えられている。

この分野での一番の制約は資金不足であり、そのため大半の国連諸機関が計画や活動範囲の縮小を余儀なくされている。このことは最も脆弱な人々の状況の上に直接的な悪影響を及ぼした。限られた範囲の必需医薬品のみが、主に子供の病気治療の目的で保健機関に配給され、それ以外の医薬品はわずかばかりである。女性に特有のニーズはほとんど満たされることはない。妊娠期間中のケアや安全な病院輸送のための設備を整えた保健機関の数は、計画されていたよりも低い水準である。また、SARSの影響によって予定されていた海外への留学や国内でのコンサルタント業務は中止を余儀なくされたが、これらはどちらもこの分野における能力形成にとって重要なものであった。

食糧支援

WFPへの多額の資金提供によって、(目標である640万のうち)550万もの社会的弱者に栄養上のセーフティネットを提供し、彼等の栄養状態を維持・改善することが可能となった。

2003年に初めて食糧支援はつまずきを見せた。第一四半期にはWFPは300万近くの人々への支援を一時的に縮小することを余儀なくされ、年の中程においても再び縮小を求められた。食糧支援への資金提供は全体的にみて十分なものであったが、前年に比べれば大きく減少していた。食糧支援における要請の75%近くは達成された。しかし食糧の拠出表明の大幅な時間的遅れや、また特に従来の資金提供者が寄付を見合わせることもあった。

幼い子供や妊娠中および育児中の女性を含む最も脆弱な集団へのWFPの食糧支援は、多くの人々の生命を救い、栄養状態の改善に貢献した。食糧支援は配給制度(Public Distribution System)に頼っている都市部の人々や主に北東部の食料に乏しい地域に住む人々をはじめとする最も脆弱な集団を対象として引き続き行なわれる。現在WFPは206の郡のうち、人口の約85%を占める162の郡へのアクセスを有している。

2003年の第一四半期および6月に再び、食糧支援のパイプラインの不足はWFPの活動に深刻な打撃を与えた。どちらの時期においても約300万人の保育所、幼稚園、小中学校に通う児童、および育児中の女性が、政府からの乏しい配給や必要栄養素の不足を補うためのWFPの食糧配給を受けることができなかった。政府からの穀物貸付を利用することで、WFPはすべての脆弱な集団への食糧供給を8月1日より再開することができた。貸付金は10月初めまでに韓国トウモロコシ基金によって全額返済されている。しかしながら新たな資金提供が早急になされない限り、穀物配給の更なる縮小が第四四半期において再び必要とされるだろう。これからの6ヶ月間(2003年11月−20044月)に、穀物13MTsを含む15万MTsもの支援食糧の不足が予想されている。

脆弱な集団への直接の食糧支援以外では、食料の現地生産のための工場運営への更なる支援が求められている。栄養失調の幼い子供や育児中の女性の栄養状態を支えるために、そこでは栄養補強された混合食品、ビスケット、麺類などが製造される。しかしWFPの支援するそうした工場では小麦粉や砂糖など、原材料となる物資が不足しており、10月中旬まで工場の運営を見合わせることも必要と思われる。WFPは現在、あわせて18の十分に稼働しうる地域的食糧生産のための工場を有している。

FFWWFPの2003年の計画におけるもう一つの重要な取り組みである。FFW計画は失業者/不完全就業の工場労働者、および休耕期の四ヶ月間の国営農場労働者を対象に雇用機会を創出することで、食糧の安全を保障することを目的としている。こうした取り組みは治水や森林再生やその他の活動を通じて農業生産力の維持・増進を支援するものである。支援活動の主な領域は、植林活動からより広範な土壌・分水路整備といった活動へと移っており、他の国連機関やNGOとも積極的に協力している。しかし資源不足という制約により、FFWの活動に要する食糧配給は大幅な削減を余儀なくされ、計画されていた65,000MTsから48,000MTsへと26%削減された。

農業

資金提供の圧倒的大部分はCAPの枠組みの中ではなく二国間でなされるものであり、それは穀物生産の継続的な回復を手助けしている [1] 。春季・夏季穀類や(ジャガイモなどの)塊茎農作物は、比較的良好な気候条件、水資源、そして種子と肥料との折良い供給などの諸条件に加えて、大量の大豆、キビ、サトウモロコシ、ソバなどの栽培、また野菜や果物の園芸栽培によって十分な収穫を保証されるようになった。2003年の春季作物の生産高は470,000MTsを超えた [2]

収穫前の推定ではコメとトウモロコシの収穫は1ヘクタールあたり4MTs増えると見込まれている。作物の限定的な多様化はジャガイモ、豆類、そしてライコムギやオート麦などの補足的な穀類の栽培増進に多少の影響を与えた。(反芻動物、家禽、魚といった)家畜の飼養においては特筆すべき増加が見られた。

最近の時期においての穀物生産の増進成功は、一つの土地に春季作物と夏季作物を連続して作付けするという二毛作によるものでもある。低地と高地の両地域におけるジャガイモ生産もまた大きく成功し、1ヘクタールあたり20MTsの収穫が報告されている。農作物の収穫高の向上は人道支援の一環としての支援者の物的支援、特に化学肥料の提供によって達成されたものである [3] 。こうした状況は地域の生産力が低い間は継続されることだろう。CAPを通じたFAOの要請によって支援者から5,295MTsもの化学肥料が提供され、それは21,442ヘクタールの耕地で用いられた。その結果、収穫の乏しくなる時期でもさらに75,047MTsのコメ/トウモロコシが生産された。

土壌の生産力を管理する取り組みは、堆肥や有機肥料の利用、マメ科植物の栽培、および改良された輪作がいくつかの道で取り入れられ、実施されたことによって劇的に増加した。

CAPの枠組みの外では、(149kmにおよぶ)幹線水路を整備し、灌漑効率を高めようという大胆な試みが平安南道の行政府によって始められた。石油輸出国機構(OPEC)の支援を受けたこの水路整備によって、何百もの協同農場を結ぶ重力送水のネットワークに十分な水を供給し、燃料と電気の利用を減らすことで低エネルギーの農法を促進することになるだろう。さらに二本のこのような水路の建設が平安北道と咸鏡北道で計画されている。

統合的害虫抑制活動(IPM/Integrated Pest Management)はすべての現場において改めて強化された。とくに協同農場や郡などの行政区の植物保護部局においてである。この計画は資金提供者によって好意的に受け入れられ、穀類や野菜などの保護のために幅広く普及している。DPRK政府は有害な殺虫剤の使用禁止を勧告することでIPMの戦略を後押ししている。

環境に関わる副領域的な活動はエネルギー危機、より具体的には家庭内で料理や暖房の燃料として使用される木が(伐採により)減少していることを問題として取り上げている。植林プロジェクトは丘陵地や沿道、ビルや家屋の周りに比較的成長の早いニセアカシア〔ハリエンジュの別名〕を (1ヘクタールあたりに7,000から10,000の苗木と)大規模に植えることを目指している。

樹木の需要が増えたことで、多くの協同農場では郡の養樹場に提供するために苗床を設け始めている。NGO Concernは前年からの計画を継続して、2003年には90,000㎥の燃料木材を供給した。これは計画の直接の受益者である平安南道に住む52,000人(13,000世帯)の暖房/料理での需要を満たすに足る量である。これは冬の四ヶ月間の人々の生活、特に社会的弱者の生活に直接影響するものであった。

FAOは、その緊急支援計画と復興支援計画とを協調させる役割が国際社会に認められており、最近ではCAPの計画と非CAPの計画とを結び付けるような仕組みの確立に取り組んでいる

教育

この部門全体での成果は複合的なものである。教育支援活動への資金提供は、より優先視されている保健・栄養部門などの他の部門に比べて低い。またSARSへの対策に追われ、教科書印刷と学力評価に関する二つの調査が後回しにされている。この部門での主な成果は次の通り:

−65万人の子供に対して、目標410万冊のうち300万冊の教科書が印刷された。

−65万人の子供が基本的な学習教材を受け取ることができたが、鉛筆、定規、消しゴムの量は減った。

−63の郡および里の小学校が復旧された

−国連教育科学文化基金(UNESCO)によるトレーニングとUNICEFによる設備提供によって、教育に関する分散している情報を集積するための教育情報システムが整備された

−(政府−UNESCOUNICEFによる)「万人のための教育Education For All」セミナーが初めて開催され、政策と戦略に関する対話の機会が設けられた。

2.4 得られた教訓

20009月に書かれた2001年合同要請の「総論」では、全体的な人道的戦略は「継続的な人道支援の必要を強調するとともに、復興・開発のための活動への積極的な参加を呼びかける」とまとめられていた。また「DPRKの直面している問題は、経済再建のための努力を中長期的に続けていくことによってのみ和らげることができる」とも。それから四年を経て、この合同要請に加わっている支援団体は、人道支援から開発支援へと移行するにはそのための望ましい環境が形成されなければならないと今も信じている。開発に取り組むことなしには危機的状況は続くであろう。

CAP国内チームはまた人道支援活動の限界と性質とを常に意識している。これはすなわち、支援が現実的で定量化可能なものでなければならないことを意味している。このような対応は利用可能な資源に基づいてなされなければならず、また政府やニーズ充足を目指すその他の活動主体を当てにするだけのプログラムされたような対応ではなく、むしろ支援諸団体をして参加型の対応策を次々に開始させるものであるべきだろう。こうした態度はまた政府が国際社会の活動に対して幻滅することも防いでくれる。

DPRKでは人道支援は主に危機的状況の潜在的要因ではなく顕在的な要因に焦点をあてている。しかしながら、栄養失調と低開発状態の潜在的要因の一つである下痢やその他の疾病の発生を抑えることなしには、人的開発のための永続する効果は得られない。水・衛生部門における支援諸団体は2003年には人道支援の効果的な活用による潜在的要因のいくつかへの対応が、郡および里レベルでの技術の交換や訓練を含むより積極的な協調活動を通じて可能であることを証明してみせた。清潔な水へのアクセスは人道の観点にも開発の観点にも共通する基本的な権利である。もしこの部門での現行の支援が拡大されていたならば、それは究極的には被害を和らげ生活水準を引き上げることを目的とするような大規模な復興・開発プログラムへと発展していただろう。それは支援者からの長期にわたる対応を必要とするものである。

DPRKは長い間危機的状況に置かれており、かなりの規模の継続的な人道支援を必要としている。そのため長期的な復興・開発戦略と適切な結び付きを持った複数年にわたる人道支援プログラムの必要性が認められる。人道支援団体はアクセスしやすい地域において、最も脆弱な人々を対象に明確な目標のもとに支援を行なうことで大きな成果をあげている。しかし人道状況の持続可能な改善が限られた範囲に留まっていることは、開発にとって望ましい環境を形成するためにすべての活動団体が努力を継続する必要があることを示している。CAP国内チームは現在の危機的状況の複合的な原因に対処するためにはこのような活動のあり方が唯一の効果的なアプローチであると認めている。

付録Uは人道的対応に際して取り入れられるべき、CAP国内チームによる提案および所見である。

3.人道主義の文脈

本節は現在の人道状況の概要である。ここでは人道状況に影響を及ぼす諸要因と人道支援活動の有する制約および機会に焦点をあてる。本章ではまた、人道支援活動にとって中心的な関心事である根本的な人道原則および人権に関する諸問題も取り上げる。

3.1 問題の分析

今年が人道支援活動を開始して9年目であること、そして2003年を通じて状況に大きな変化がみられなかったという事実をふまえた上で、人道状況に関する包括的な分析を扱っている昨年の合同要請を参照してみることを読者に勧める。2002年末に終了した国連合同国別調査(UN Common Country Assessment)での分析も補足として参照して欲しい。

1950年から1953年の朝鮮戦争に平和的な解決が得られていないこと、そしてそのことが政府と支援者の政策に対して持つ潜在的重要性は、それに付随して生じる社会・経済構築のための資源供給の上で国家が直面する困難とも相俟って、依然としてDPRKの人々にとって主要な問題として存在し続けている。支援諸団体は、現在の状況がどのようにして改善されうるのか、または朝鮮半島の安全保障に関する包括的な政治的決着がない中でどのように問題を解決しうるのかということに対して十分な洞察を持ち合わせていない。将来に対する不透明感は、人道支援と開発支援のための取り組みを複雑なものにし、諸外国政府、支援諸団体、そして人々のDPRKに対する投資意欲に不信感を差し挟むこととなる。DPRK政府は改革のためのプロセスによって社会的サービスの供給を向上し、経済成長を促進しようと努力している。しかしながら水や健康などの基礎的な社会的サービスへのアクセスを十分に保障することは、依然として差し迫った優先課題であり続けている [4] 。一般家庭の食糧事情の改善、水・衛生設備の復旧、そして基礎的な保健ケアの改善は最も明らかな優先課題である。

3.2 人道原則と人権

障害者保護に関する新法−歓迎すべき第一歩

2003年6月、DPRKの最高人民会議において障害者保護に関する新法が承認された。この法律は教育へのアクセス、仕事へのアクセス、または建築物や交通機関へのアクセスといった、どの社会においても障害を持つ人々が直面する様々な制約を取り除くために制定された。障害者の置かれている状況は一夜にして変化するものではないが、この法律は障害者の権利を保障する上で重要かつ歓迎すべき第一歩である。Handicap International(HI)と朝鮮障害者支援連盟(KASD)は法案作成過程での助言や提言に協力して取り組んだ。

人道支援活動は人権と人道原則に沿って行なわれている。人道主義の性格を鑑みれば、基本的ニーズの充足は人権の拡大を含む開発に至るための一連の活動の一部分であるということは、人道支援プログラムにおいても認めることが出来る。人道支援は人権という次元も持っている。子供が食事をしたり育児中の母親が医療的ケアを受けられたりするたびに、プログラムはそれが、諸個人が尊厳ある生をおくる権利を確約するための活動であることを確認しているのである。DPRKの中では支援団体は次の諸原則を常に意識している: [5]

公正:人道支援の実践は、国際的に認められた基準に従った不公平のないニーズの査定に基づくものである。

中立:人道支援活動は政治的・思想的対立に左右されることなく行なわれるものである。人道支援は政治問題からは独立した位置にあるものであり、そのように見なされるべきものである。

自主独立:人道支援団体は政府の政策に利用されることのないよう心掛けなければならない。人道支援団体は各々の政策や戦略をみずから立案し、自分たちの政策と一致するものでない限り、いかなる政府のいかなる政策にも与することはない。

人道:いかなる場所であろうとも、人々の苦難には立ち向かうべきものである。すべての受難者の尊厳と権利は尊重され守られなければならない。最も支援を必要とする人々の苦難を和らげることは、人道的対応にとって第一の動機である。

評価可能性:人道支援団体は活動の透明性を心掛けるものである。支援団体の活動は、彼等が支援する人々にとっても、彼等が資源・資金の提供を受ける人々にとっても評価可能なものでなければならない。

DPRKにおける人道支援活動は経済的、社会的、文化的権利の保障、とくに食事、健康、教育の権利の保障、またFFWを通じた労働の権利の保障に直接に取り組んでいる [6] 。またこれらの権利はDPRKの憲法(1998制定)にも正式に記されており、そこには労働の権利、休養をとる権利、無償医療ケアを受ける権利、そして教育を受ける権利が明記されている。人道支援活動は、その短期的かつ局所的な性格のみを鑑みるならば、社会における安全保障の権利や文化的活動の権利、または科学・技術の利益を享受する権利などには関心を向けていないように見える。しかしながらこれらの権利が実際の活動において考慮されていないわけではない。支援プログラムの第一の利害関係者は子供と女性である。そのため部分的にではあれ、家族、女性、子供を支える権利に取り組むことになる。人々の生活を保障することを任務とした政府機関だけでなく人々への直接のアクセスがより拡大したならば、こうした取り組みをさらに推し進めることができただろう。

上記のような原則と人権保障の核となる国際条約・協定の実践に向けて: [7]

1. 支援プログラムは最も脆弱かつ不利な状況にある人々を対象とすることで、すべての人による権利の享受を推し進める;

2. 支援プログラムは人々の差し迫った必要に対するバランスの取れたアプローチを通じて、権利の不可分性と相互依存性とを強調することを目指す;

3. 支援プログラムは効果的なモニタリングと評価によって活動の評価可能性を強化するよう努める;

4. 公正の原則は、支援が政治的またはその他の外的な事柄に関わりなく、人々の必要に基づいて行なわれることを要請する;

5. 支援プログラムは人権保障の核となる国際的な合意に応ずる上での第一の責任主体が政府であることを認め、支援団体は政府が国際的な人権保障にともなう義務を果たすための手助けをする;

6. 支援プログラムはCAPの実践において人道原則が取り入れられるのを支えるため、1998年に初めて策定された「DPRKにおける人道原則 Principles for Humanitarian Action in DPRK」を発展させる。これらの原則は付録Yとして付されている。

3.3       社会的潜在能力と脆弱性の評価分析

社会的潜在能力と脆弱性

「・・・コミュニティに災害の影響を受けやすくさせる要因が明らかにそのコミュニティの脆弱性(vulnerabilities)にあるところでは、コミュニティの持つ潜在能力は災害を回避、緩和するための、または災害から回復するための確実な力となる。したがって、そうした能力形成は災害によってもたらされる脆弱化を相殺しうるだけの力をコミュニティに与えることを目的として実践されることになる。そうした実践によってコミュニティが状況対応メカニズムを機能させる能力の低下を防ぐことが可能であり(能力保障capacity damming)、そのメカニズムの良い側面をさらに強化することも(能力形成capacity building)、またよりよい代案を導き出せるようコミュニティを手助けすることも可能なのである。この最後の過程は能力播種(capacity seeding)として知られている。・・・能力形成という言葉はこの一連の活動をさすものとして使われる・・・。」

Sue Lautze and Dr. John Hammock [8]

人道支援団体の直面している厄介な問題の一つは、どのようにして人々の脆弱性と人々が食糧不足や深刻な経済難の影響に対処するための能力とを測定するかというものである。CAPの「社会的潜在能力と脆弱性の評価分析」の節では三つの点が強調されている:

−誰が最も脆弱であり、それは何故なのか?

−最も脆弱な人々の持つ状況対応能力とは何か?

−人々が直面している短期的および長期的な主要問題は何か?

1998年の多項目グループ別調査(Multiple Indicator Cluster Survey)と政府、UNICEF、WFP、およびEUによって実施された栄養調査(Nutrition Survey)は、深刻な栄養失調が特に子供たちの間で、不衛生な飲料水と劣悪な衛生環境によって引き起こされる下痢などの他の病気によってさらに悪化させられていることを明らかにした。2002年に行なわれた政府による合同栄養調査は1998年の栄養調査の追跡調査にあたる。この調査は過去四年間で子供たちの栄養失調の割合が大きく改善されたことを示した。WFPとUNICEFは2002年の調査は必ずしも1998年の調査と比べられるものではないとしたが、それでも肯定的な傾向を認めることができる。

−標準体重以下(対年齢体重)の子供の割合は1998年の61%から2002年には21%に減少;

−衰弱または急性の栄養失調(対身長体重)の子供は16%から9%に減少;

−発育不良または慢性の栄養失調(対年齢身長)の子供は62%から42%に減少(罹患率の補正有り [9]

特に重要なのは、DPRK政府がこうした成果を部分的にではあれ、近年の国際社会によるかなりの人道支援に負うものであると認めている点である。

過去9年にわたってかなりの量の食糧支援と基礎的な人道支援が行なわれ、その結果、受益者たちの健康状態は改善された。それにもかかわらず長期間におよぶ食糧不足の影響は、予防可能な伝染病の流行も相俟って、人々の押しなべて低い背丈に依然として明らかである。国際的な調査や、一般家庭の食費調査や実地調査、特定の小グループによる討議などの国内的な調査によって、八つのグループに属する人々が最も危機的な状況にあることが明らかになっている。以下の表はそれぞれのグループ、その規模、そしてその脆弱性を詳述するものである。

脆弱性に関する分析一覧表T [10]

 

規模 [11]

脆弱性

深刻な栄養失調状態の子供

7万人

生命維持のための特別なケアを要するほどの栄養失調の高いリスク

妊婦および授乳期の女性

98万人 [12]

劣悪な栄養状態、鉄分不足と高い貧血のリスク、妊婦10万人中97人にのぼる(出産時の)母体死亡率 [13] 、重労働/ストレス、授乳能力の低下、不十分な生殖医療(reproductive health)サービス

5歳以下の全ての幼児、特に2歳以下の幼児

230万人

栄養失調と死亡の高いリスク、高い罹患率、発育不良、出生時の低体重;これらは部分的には児童施設の劣悪な水道・衛生環境、託児所や保育所での幼児に対する保育士不足に起因する

孤児

3,400

栄養失調と死亡の高いリスク、施設でのケアの水準低下による発育不良

学齢期の児童

430万人

劣悪な健康・栄養状態、学習能力と教育水準の低下、旧式の教育カリキュラム、発育期の少女たちの間での鉄分不足と貧血の高いリスク

高齢者 [14]

260万人

劣悪な健康・栄養状態、食料獲得における身体的不利、不十分な保健サービス、公的な看護施設に関する知識不足、一つまたは二つの老齢年金への依存、または家族、国営商店、民間市場へのかなりの依存、幾人かは親族の支援をほとんど受けられない、休耕期における食糧不足のリスク

その他

(身体・精神障害者、慢性的疾患を抱える者など)

665,000 [15]

劣悪で不十分なリハビリサービス、障害者の一般社会への編入にともなう困難と相俟った保健サービスの不足

結核感染者

10万人

(毎年45,000人が新規感染)

劣悪な健康・栄養状態、医療施設での治療の不足、不十分なコミュニティ単位での疫学的予防・抑制

これらのグループの内、妊娠中の女性とその胎児、5歳以下の幼児(特に2歳以下の幼児)、そして育児期の女性はとりわけ脆弱である。健康な生活を保障するだけの質および量の食糧を得る機会が十分でない上に、必要不可欠なサービス、健康、水、衛生環境、教育などの質の悪さも加わって、かなりの割合の人々がいくつもの脆弱性を複合して抱えている。

これらのグループのそれぞれが直面する脆弱性の度合いは、地理的条件や土地へのアクセス、所得水準、(社会的)性差、そしてDPRK政府の福祉制度を通じた社会保障給付など、多くの要因によって左右される [16] 。「脆弱性及び社会的潜在能力に関する地域別一覧表」(下記)に見られるように、都市部と農村部の間にもまた格差が存在し、都市労働者とその家族は高度の脆弱性に直面している。これは主に、家庭菜園や野生の食物へのアクセスが限られていること、そして協同農場の労働者に比べて配給制度を通じた食糧配給が低いレベルにあることによるものである。調査によれば、平均的な都市の家庭では基礎的な食料の不足を補うために、収入の75-80%を配給制度や国営商店、農民市場からの買い入れを含めた食糧購入に割かなければならないという。これに比べて国営農場の労働者では収入のうちの食費の割合は20-35%であり、協同農場の労働者に至ってはその割合はさらに低くなる [17] 。また脆弱性に関して広範な地域間の格差も存在する。たとえば食糧不足の度合いが比較的軽い南西地域に比べて、北東地域は深刻な食糧不足に苦しんでいる。

脆弱性及び社会的潜在能力に関する地域別一覧表

 

脆弱性

潜在能力

北東地域

740万人

接近困難な地理条件(山岳部)、耕作に適した土地が少ない、都市部への人口集中、配給制度への高い依存、厳しい気候変動に晒されやすい、かつての沿岸工業地帯での家畜不足、社会的生産基盤の弱体化、資源活用に対する政府からの財源割譲が少ない、保健サービスの不備、食糧不足、厳しい気候条件、劣悪な水道・保健設備及び住環境、過剰な長時間労働

耐久力、高い識字率と教育水準、世代間のつながりの強い家族組織(役割と責任の分担)、豊富な資源、機能的な行政機関、家族単位の経済活動の発生、連帯・共同体意識、天然資源

特定の沿岸地域

10万人

自然災害の頻発、保健サービスの不備、食糧不足、配給制度への高い依存、過剰な長時間労働、厳しい気候条件、劣悪な衛生・住環境、海水の混入を受けやすい水道設備

都市部 [18]

1580万人

社会的生産基盤の弱体化(水の供給と衛生環境)、土地・食料の不足、家庭菜園および家畜を持たない、生活費の高い割合を食費が占める、特に稼ぎ手が一人の世帯や(四人以上からなる)大家族での国営商店や農民市場への高い依存、冬場での食糧不足のリスクが全体的に高い、過剰な長時間労働

総人口の大半

2262万人

食糧不足および質・量ともに不十分な基礎的サービス(保健、水、衛生、教育)

2002年の栄養調査によれば、他の地域に比べて北東地域はより脆弱な状況に置かれており、そこでは子供たちの栄養失調の割合も高くなっている。北東地域の各道は経済衰退の影響が深刻である。食糧の安全という観点から見て北東地域の各道の脆弱性は、厳しい気候条件とも重なって徐々に増大している。この地域は全人口の5分の1以上を抱えている。両江道や咸鏡北道、咸鏡南道は一時は工業の拠点であったが、十年以上前に東側ブロックの輸出市場が失われたときにはその打撃を真っ先に受けた。このことは人々に山の多いこの地域のひどく限られた辺境地に極度に、しかし不安定に依存することを強いた。またこの地域は十数年におよぶ森林伐採の影響で洪水や干ばつに見舞われやすい地域でもある。貧弱な交通輸送の基盤はこの地域を孤立させるだけでなく、多くの点でこの地域の食糧供給状況をさらに悪化させている。この地域の工場労働者と都市部の家庭では食糧不足が深刻なものとなっており、他の地域よりも一月早く訪れる休耕期には、地域で生産される穀物と野菜の不足が最も深刻となる。一人あたりで見れば北東地域での穀物生産は急激な減少傾向にあり、ただでさえ不十分な全国平均を30%も下回っている。

配給制度によって各世帯に配られる物資は通常国内のどの地域でも均一であるが [19] 、20039月のFAO/WFPによる穀物及び食糧供給状況調査計画(CFSAM)によれば、聞き取り調査の対象となった配給制度に依存する世帯のうち、70%が一日に必要とされるだけのカロリーを摂取することができず、また大半の家庭ではたんぱく質の摂取量がかなり低かった。

2003/04年のジャガイモも含めた穀物生産量は、416万MTsと見込まれている。これは前年度の修正予測よりも8.3%増えている。しかし国内の穀物生産量は依然として食糧ニーズの最低限度を大きく下回っており、貿易によって食糧を確保することが困難な現状ではDPRKは引き続き国外からの食糧支援に頼らざるをえないだろう。CFSAMは最も貧しい層の人々が極度の生活難に陥るのを防ぐために、脆弱性に関する評価分析に基づいて650万の脆弱な人々に対して484,000MTsの食糧支援を行なうべきだとした。国内の食料にどれだけの不足や余剰があるかに関わらず、DPRKにとって大多数の人々の栄養状態を安定させることは依然として重要な関心事であり続けるだろう。国内の食糧生産量のみでは、一般家庭における食料保障の指標としては不十分なのである。

緊急に求められる支援を的確に行なうために脆弱な集団の特定が重要となる一方で、国際的な支援が依存のサイクルを生み出すのを防ぐためには、状況対応メカニズム(coping mechanisms)を定めることも同じく必要となる。状況対応メカニズムとはコミュニティの内に存在するが普段は使われていない機会を利用する一連の手法である。しかし危機的状況のもとでは残念ながらこのメカニズムは、自然環境の破壊と不適切な食料の消費とによって将来の生活手段や栄養状態の安定を徐々に台無しにしてしまうものでもある。

DPRKでは、コミュニティが災害の回避・緩和や災害から回復するための能力を最大限引き出せるよう支援することは、人道支援団体にとっては未だ困難な課題である。人道支援団体は脆弱性の複雑かつ多元的な要因や状況対応メカニズムが対象となる人々の上に機能しうる範囲、そして能力形成のための機会に関しての認識を深めつつある。しかしながら各種の評価は一般的に妊娠・授乳期の女性の数や慢性栄養失調の割合、農業生産高、現行の配給量といった、脆弱性の目に見える側面だけを反映するものである。さらに潜在能力を見定め形成するための最良の手段を巡って政府と人道支援団体との意見が一致しないために、脆弱性をより正確に評価するための調査方法や家庭やコミュニティでの状況対応メカニズムは実践が困難なものとなっている。支援によって脆弱性を効果的に減らし地域の持つ社会的潜在能力を支えていくためには、人道支援団体がコミュニティの全ての領域で活動を行なえる環境が明らかに必要なのである [20]

世界基準の評価分析、学術的資料、そして(一般家庭の食費調査、実地調査、特定の小グループによる討議などの)国内の評価分析により、危機的状況への対応として個人や世帯、コミュニティによって以下の諸活動が行なわれていることが明らかになった:

−他の郡や地区、道からの救援物資(これはDPRKを含む多くの社会主義国で共通して見られるもので、生産の豊かな地域から貧しい地域への通常の流通とは別に行なわれる)

−しばしば代替食料(alternative food)として知られる主要原材料を減らした食品の生産 [21]

−家庭菜園と家畜の利用の増加(都市部の家庭で飼われる小動物も含む)

−私有財産による商取引の増加(中央計画経済centrally planned economyの外側で行なわれる)

−親族や友人からの支援への依存の増加(在日コリアンからの支援も含む) [22]

−人々の地理的移動の増大

−漁労、狩猟、採集による食物獲得

−小規模な経済活動の増加

−辺境地、私有の小区画、工場近くの肥沃な土地などでの農業 [23]

−消費者市場(物々交換・現金取引)

−家計による起業

−ウサギ、ヤギ、ジャガイモを育てるための政府による大衆動員 [24]

−地域で造られた生物利用の殺虫剤(bio-pesticide)や有機肥料の農民による使用の増大

以前では政府は世帯レベルでの能力形成を支援することに消極的であったが、2003年に世帯よりも上位のレベルで行なわれたいくつかのプロジェクトでは、計画策定の段階において政府が能力形成の支援の必要性を徐々に認め始めていることが示されている。DPRK政府は活動のための公的機関を中央と地方の両レベルでより機能的にするために、支援団体を後押ししている。それは地域の持続可能な状況対応メカニズムへの支援ではなく、対照的に技術的な指導・訓練の分野で優先的に行なわれている。しかし計画を実行する段階になると政府はミクロの、草の根の、または世帯レベルでの能力形成を支援しようとはしない。能力形成が国家の発展に効果的に寄与するためには、より多くの情報共有、アクセス手段の改善、国際機関の能力に対する政府の信頼が必要とされる。諸機関はCAPの目標を支持する全ての計画へと徐々に能力形成を拡大させようと取り組んでいる。それはすなわち、最終的には経済の復興を導くような将来の開発に向けて基金の規模を拡大し、社会的潜在能力を形成しようというものである。

4.今後のシナリオ

CAPの国内チームは2004年に向けてDPRKのためのいくつかシナリオを想定している。もちろん何者にも未来を予測することは出来ないが、支援諸機関はそれらの2004年に向けたシナリオが十分に妥当するものであると信じている。万一それらに代わりうるシナリオが展開されたときには、人道支援戦略は見直しを迫られるであろう。

最も起こりうるシナリオ

最も起こりうるシナリオは、現在の状況が継続されるというものである。ほとんどの人々が政府当局によっては満たされていない食糧支援や水道・衛生設備、保健ケアなどの分野での緊急支援を引き続き必要とするだろう。人道支援は継続されるが、しかしそれは今よりも不確実で予想しにくいものとなるだろう。朝鮮半島の緊張状態は現在のレベルから下がりはせず、そのため朝鮮人民の脆弱な状況の改善や人道的または開発のための支援の増加、もしくは支援団体の活動環境の改善などを見込むことは出来ない。しかし支援が対象を明確に定めてなされることで、いくつか重要な成果をあげることが出来るだろう。段階的な経済改革は徐々に速度を上げて行き、長期的には経済回復の見通しが得られるだろう。とはいえその利益が脆弱な集団へと即座に還元されるというわけではない。むしろ経済改革が進むにつれて逆に脆弱性が悪化させられることもある。そのため人道支援が引き続き必要とされるのである [25]

最悪のシナリオ−急速な状況悪化

次に起こりうるシナリオは、朝鮮半島の政治的及び軍事的緊張の高まりにともなうものである。それはDPRKに対して様々な制裁を課す結果となるだろう。経済の展望は悪化し、人々の脆弱性の増大と人道支援へのさらなる依存とをもたらすだろう。緊張の高まりによって2004年の人道支援は前年に比べて激減し、撤退する支援団体も出てくると思われる。ともすればこのシナリオは、深刻な自然災害やSARSの再発生によっていっそう悪化させられるかもしれない。

最善のシナリオ−急速な状況改善

2004年に起こる可能性が最も低いのは、DPRK、韓国、日本そしてアメリカの間の関係が大きく改善されるというシナリオである。四者間の関係が改善すれば、安定した人道支援が保障され、国際的な金融機関への参加も含めた開発のための財政支援も拡大すると思われる。また対外関係の改善によって、以前になされたDPRK−韓国間の経済交流に関する合意が十全に履行され、DPRKに対する韓国からの投資の増加につながるだろう。朝鮮半島の緊張緩和は支援団体の活動環境を改善し、人々への接近をより自由で容易なものとするはずである。同時に緊張緩和によって大規模な復興・開発プログラムへの移行も可能となるだろう。そのためかなりの人道支援が引き続き必要となる。

5.戦略的目標

2004年度の戦略的目標は前年度のものをそのまま引き継ぐ。なぜならそれらの目標が達成されるには数年を必要とするからである。人道支援に携わる人々にとって2004年度の何よりも重要な目標は、統合的で公正な戦略によって子供や女性などの社会的弱者の生命を保護し、生活環境を改善することである。CAPの国内チームは以下の戦略的目標に具体的に取り組むことで、全体的な人道状況を多少とも解決する手立てにしたいと考えている: [26] [27]

−人々の基本的なニーズと権利を満たし、彼らが自律して生活できるよう支援する;

−最終的には経済復興を導くような将来の発展に向けて基金の規模を拡大し、社会的潜在能力を形成する;

−家庭はコミュニティの基礎単位であるという認識のもと、脆弱性を克服するためにコミュニティや公的機関、家庭の潜在能力を形成する。 [28]

CAPに参加している諸団体はまた、2000年に国連で採択された「ミレニアムにおける開発目標 Millennium Development Goals」の達成や、DPRK政府も同意している人権に関する様々な国際条約・協定の中で示されている社会的・経済的な権利の保障といった目標のもとでDPRK政府への支援を行なっている。

付録T 2003年度アピールへの資金提供者の対応

表T 機関別要請額と達成状況(2003年1013日現在)

要請機関

要請額

要請額

(修正後)

寄付

予定されている寄付

繰越金

合計資金

不足分

達成率

CESVI

960,000

240,000

240,000

0

0

240,000

0

100.00%

CONCERN

930,000

713,918

713,918

0

0

713,918

0

100.00%

DWH/GAA

790,000

682,770

682,770

0

0

682,770

0

100.00%

FAO

4,066,000

4,066,000

1,363,350

0

0

1,363,650

2,702,350

33,54%

HI B

45,000

603,732

603,732

0

0

603,732

0

100.00%

OCHA

577,980

515,095

233,751

0

0

233,751

281,344

45.38%

PU

1,115,000

1,373,045

1,373,045

0

0

1,373,045

0

100.00%

TGH

1,327,000

547,070

547,070

0

0

547,070

0

100.00%

UNFPA

582,000

582,000

0

301,866

0

301,866

280,134

51.87%

UNICEF

12,096,000

12,096,000

5,426,375

0

0

5,426,375

6,669,625

44.86%

WFP

197,166,595

202,715,982

114,692,550

0

0

114,692,550

88,023,432

56.58%

WHO

5,231,100

5,231,100

3,259,615

0

0

3,259,615

1,971,485

62.31%

総計

225,291,675

229,366,712

129,136,476

301,866

0

129,438,342

99,928,370

56.43%

表X 主な資金提供者と拠出額(2003年1013日現在;繰越金除く)

資金提供者

拠出額(US$)

割合

United States

31,114,651

24.04%

Korea, Republic of

16,832,152

13.00%

European Commission

16,396,636

12.67%

Russian Federation

10,000,000

7.73%

Italy

6,401,811

4.95%

Canada

4,367,930

3.37%

Sweden

4,070,266

3.14%

Germany

3,229,279

2.49%

Norway

1,999,244

1.54%

Australia

1,764,706

1.36%

Denmark

1,538,481

1.19%

Finland

1,250,284

0.97%

Luxembourg

438,593

0.34%

Switzerland

350,000

0.27%

Others

216,149

0.17%

Private/NGO/Intl*

29,468,160

22.77%

総計

129,438,342

100%

*ここには個人及び他の非政府の資金提供者からの寄付とともにUNHCRによって

諸機関合同要請に割り当てられた寄付も含まれる。

表Y 主な資金提供者と拠出額総計*(2003年1013日現在;繰越金除く)

資金提供者

拠出額(US$)

割合

Private/NGO/Intl

71,089,965

40.17%

United States

31,114,651

17.58%

European Commission

20,505,380

11.59%

Korea, Republic of

16,832,152

9.51%

Russian Federation

10,000,000

5.65%

Italy

6,817,101

3.85%

Canada

4,694,727

2.65%

Sweden

4,499,240

2.54%

Germany

3,229,279

1.82%

Norway

1,999,244

1.13%

Australia

1,764,706

1.00%

Denmark

1,538,481

0.87%

Finland

1,250,284

0.71%

Switzerland

967,455

0.55%

Luxembourg

438,593

0.25%

Others

216,149

0.12%

総計

176,957,407

100%

*諸機関合同要請への寄付及びCAP外での追加的寄付(二国間、赤十字、etc…)を含む



[1] こうした回復は平安北道、平安南道、平壌市の農業地帯、黄海北道、黄海南道の平野及び低地を含む穀倉地帯(Cereal Bowl)において顕著であり、江原道と咸鏡南道の一部でも見られる。

[2] 公式政府統計に基づく(大麦の収穫高は平均2.5MTs/haであるが、小麦は平均4 MTs/haであり、ジャガイモは1220 MTs/haであった。)

[3] 韓国とEU(EC-AidCoを通じて)によって、CAPの枠外で大量の化学肥料の支援がなされた。

[4] 経済改革に関するより多くの情報は次の文献を参照:Chong Bong-uk, 2003, ‘A Year After Radical Reforms’, Vantage Point April 2003-Vol 26 no.7, p.2, Yon hap News Agency, Seoul および M. Noland, July 2003, Famine and Reform in North Korea (WP 03-5), Institute of International Economics, Washington D.C.

[5] DPRK政府は1991年に、「危機的状況への人道支援における協力関係の強化」に関する国連総会決議46/182を受けて、最初の三つの人道原則を承認した。

[6] 国連による人道支援活動は次のような広範な人道及び人権に関する国際法に基づいている;1948年世界人権宣言、1949年ジュネーヴ4協定、1966年市民権及び政治的権利に関する国際規約、1966年経済的・社会的・文化的権利に関する国際規約、1977年ジュネーヴ協定に関する二つの追加議定書、1981年女性差別撤廃条約、1981年子供の権利条約、1981年児童売買、児童ポルノ、児童売春に関する追加議定書、武力紛争への子供の関与に関する追加議定書(ともに2002年より発効)19911219日国連総会決議46/182DPRK政府は人々の権利伸長への意欲を示すために、何らかの形でこれら人権保障の核となる国際条約・協定を全て承認している。

[7] CAPの文脈において、「アクセス」とは人道支援団体が現地政府からの妨害や不当な干渉を受けることなく、独自に人々へと接近する能力と定義されている。

[8] Sue Lautze & Dr. John Hammock, Coping with Crisis; Coping With Aid Capacity Building, Coping Mechanisms and Dependency, Linking Relief and Development, 1996. この論文は地域の社会的潜在能力と状況対応の手続き、そして支援と開発の連携を扱う国連諸機関常設委員会の準活動グループ向けに、国連人道問題局(OCHA)による“lessons learned”シリーズの一部として発刊された。

[9] Central Bureau of Statistics Nutrition Survey November 2002によるサンプル調査では39%であった。

[10] DPRK政府による最初の「脆弱性に関する分析一覧表(CVA)」が出されたのは2002年のCAPにおいてであった。それは1998年の多項目クラスター調査(MICS)、栄養調査、実地調査などに基づいていた。200210月の合同栄養調査の結果は、DPRKにおける脆弱性と潜在能力を測定するうえでの実地調査の有効性を実証するに足るものであった。

[11] CVAに示されている人口規模は主に2002年一月にFDRCによってWFPに示された数字に基づいている。

[12] UNICEF推計。

[13] 2002年に三つの道で行なわれたUNPFA性・生殖に関する健康調査による。母体死亡に関する政府統計はもっと高くなると思われる。

[14] 社会福祉制度を通じてDPRK政府は恩給制度による高齢者支援を行なっている。恩給の給付割合は受給者の定年時の生活費の約60%に相当する。恩給に加えて政府は高齢者のための福祉サービスも提供している。そこには恩給を受けられない人のための支出、たとえば子供の名を借りての追加的な配給などが含まれる。働くことの出来ない高齢者や身寄りの無い高齢者のための生活施設も整備されている。

[15] 朝鮮障害者支援連盟(KASD)1998年調査による。政府は外部利用を許可。

[16] North Korea’s Social Welfare System and its Operation, Korea Institute for International Economic Policy Paperを参照(1999129日世界銀行セミナー)

[17] WFP/FAO特別報告、FAO/WFP Crop and Food Supply Assessment Mission to the Democratic People’s Republic of Korea(October 2002)による。

[18] またWFP/FAO特別報告、FAO/WFP Crop and Food Supply Assessment Mission to the Democratic People’s Republic of Korea(October 2002), p.15-17も参照。さらに詳しくはNorth Korea’s Social Welfare System and its Operation, Korea Institute for International Economic Policy Paperを参照(1999129日世界銀行セミナー)

[19] 食糧庁(Food Administration Ministry)によって運営されている配給制度(PDS)は、国営企業労働者、国家公務員、国営農場労働者及び(通常PDS依存者と見なされる)その家族など合計155万人にのぼる非農業人口へと全ての基礎的食糧を行き届かせる上で中核となる制度である。それぞれの郡や市は中央の備蓄倉庫を持ち、そこから(里や洞といった)コミュニティ単位の配給所へと食糧を届けている。約670万人にのぼる協同農場の労働者とその家族は、PDSを通じては配給を受け取っていない。彼らは一年分の穀物配給を収穫期の終りに一括して受け取る。この年一回の配給は一人当たり平均219kg、もしくは一人当たり一日600gに相当する(PDS配給の全国平均に相当)。そして残りの収穫分は予め設定された価格で政府に売却される。十分な食糧があったならば、仕事の種類に応じて配給量が異なるというシステムの下で配給制度はかなり効果的に機能しただろう。しかし穀物の不作によって仕事の種類や年齢に関わらず全ての人々への配給が激減した。こうした状況は2003年には地域間で多少の差異が見られるようになったが、子供たちへの配給は依然として少ないままである。2003年における一人当たり一日の配給量は、月平均で1月から4月までは300g5月は250g6月は250/350g7月から9月までは380gであった。

[20] こうした取り組みは社会的資本の価値と活動への参加増大の重要性とを認めるものである。「社会的資本とは集合的活動を可能とするような規範とネットワークを意味する。社会の結束力−すなわち社会的資本−は貧困の緩和と持続可能な人的・経済的開発にとって肝要なものなのである。」http://www.worldbank.org/poverty/scapital/

[21] 代替食料とは主要原料の不足に対応するために、その原料の割合を減らし、草や根、トウモロコシの穂軸、海草といった通常は使わない他の可食作物と混ぜ合わせてつくられた食品である。代替食料の特徴としては、主要原料の割合を減らしてある、先にあげた通常は使わない他の可食作物によってそれを補う、そして栄養価は実際に高くなることが挙げられる。野生の食物の中には消化に悪く、子供たちには適さないものもある。

[22] メディアの論評によれば、在日コリアンからの送金は減ってきているという。

[23] 工場に隣接している耕作に適した土地を、野菜の生産や家畜の飼養のために用いることは許可された。

[24] 大衆動員に関する詳細はNoland, M. (2000) ‘Avoiding the Apocalypse – The Future of the Two Koreas’, Institute for International Economics, p.182-183

[25] マクロとミクロの両レベルにおける経済改革には、継続的で十分な規模の投資が必要となる。

[26] これらの目標は最初20026月に開かれたFDRC、国連、NGOIFRC、資金提供者、外交使節などの代表を集めてのDPRKのためのCAPワークショップにおいて示された。

[27] CAPの戦略的目標は適切な経済回復と外国からの投資を支援する補完的な開発プログラムを必要とする。

[28] 三番目の目標はDPRKの憲法にも反映されている。そこでは、社会の最も基礎的かつ優先されるべき単位としての家庭を維持することに国家が大きな関心を払うことが謳われている。19901024日に制定されたDPRKの家族法ではまた、組織構成の最も重要な単位としても家庭が重要であると強調されている。組織構成と家庭の双方に力を与えることによって、支援活動はより効果的に将来の開発のための能力を形成することが出来る。