In Korea: First, Save Lives
   Masood Hyder

   朝鮮で:まず命を救え
   マスード・ハイダー

   http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A50820-2004Jan2.html

   2004年1月4日
   平壌

世界の他の苦しんでいる地域における援助団体と同じく、朝鮮での人道支援組織は人間優先である。しかし、政治に支配された環境で活動している。人道支援組織は、最も弱い人々の基本的な必要に、第一の焦点を当てているのだ。

朝鮮のための2004年の(国連による)援助要請は11月19日に発表されたが、その時期、メディアは核問題にとらわれて他の事にはほとんど関心を示さなかった。けれども、300万人の子ども達が適切な食物と清潔な水を何としても必要としており、また、人口の全体が基本医薬品とより良い医療を必要としている。もし、我々が見ているもの、つまり広範に老朽化した工業、苦労の割に収穫の少ない農業、ひどく悪い保健サービスといったものを見れば、これらの普通の、だが英雄的な人々が、我々が求めている援助に十分値するということに何の疑いも抱かないだろう。

ユニセフと世界食糧計画(WFP)が昨年行なった大規模な調査の結果、朝鮮の子ども達の10人に4人は栄養不良で発育不全だということが分かった。WFPと国連食糧農業機関による先月の報告書は、同国の穀物不足がほぼ100万トンと見積もった。

国連機関、赤十字、種々のNGOによる援助要請は、食糧、医薬品、資材で2億2千100万ドル分を求めている。我々は、最も基本的な、そして最も緊急の必要物を満たすためだけを求めているのだ。援助国が現在の環境において提供しても構わないような物以上に、人々はずっとより多くの物を必要としている。特に水と保健だ。

援助国側の躊躇の幾らかは、我々の駐在が長引いていることから起こっている。我々は、9年間、朝鮮に駐在している。その間、人道的な危機に対する極めて多くの援助国の反響があった。何百万トンもの食糧が配分され、医療や農業や栄養問題や給水・衛生設備についての様々な事業計画が実施されてきた。

それなら、我々は、事態はまだ悪く、基本的な援助が必要だと、どうして言えるのか? 我々は、失敗したのか?

我々は失敗しなかった。生命は救われた。すなわち、我々は、状態を好転させるのを助けているのだ。栄養失調、発育不全、産婦死亡の率は依然高いものの低下してきた。特に、我々は予防能力を確保してきたのだ。つまり、我々がここに駐在し、適切に支援される限り、さらなる飢饉は起こりえない。

朝鮮への人道援助をやめ、負担をその政府に回すようにと主張する批判者たちがいる。もし我々が助けなかったなら、弱い立場の者たちを世話するために、資源が、より攻撃的な目的から振り向けられなければならなかっただろうと、彼らは論じる。これは、危険な憶測だ。安全保障の優先事項を要求して、人道的必要に関わる力量に、非現実的な期待をかけないようにしよう。

けれども、援助国の思いやりある反応は、あっけなく弱まり始めた。昨年、WFPは、最も弱い人々のうち300万人もの高齢者への援助を中断しなければならなかった。いちばん必要性の高い子ども達を助けつづけるためにである。最近、我々は再び、高齢者と学校生徒を含む270万の人々の死活に関わるような穀物配給を停止せざるを得なくされた。

しかし、我々は今、諦めることはできない。特に、事態が変化し始めているときに諦めてはいけない。たとえ少しずつで、用心深くではあっても、変化は、我々の周りで起こっている。より多くの開放がある。我々は最近、平壌の地元市場への立ち入りを認められた。移動電話も届いた。価格と賃金水準の調整は、常に有益にというわけではないが、大きな影響を及ぼしつつある。食糧援助のモニタリング訪問は、過去2年間で50パーセント近く回数が増えた。

根本的に変化しつつある事は、変化そのものに対する態度である。修正の必要などない完璧な制度だという頑固な固執に代わって、いまや政府機関は、変化や適応の可能性を容認する。問題は、世界が、その変化の過程をわきへそらせるのか、助けるのか、である。

我々はまた、WFPの援助が朝鮮軍部に横流しされているという主張にも対処しなければならない。我々は、穀物袋がどこへ行ったのか、すべてを保証することはできないが、とりわけ真っ先に昨年の栄養調査のめざましい結果から、それらの大部分がどこへ行ったのかを信じる十分な理由が存在するのだ。

1995年以来の朝鮮への食糧援助800万トンのうち半分以上は、韓国、中国のような国々によって政府対政府ベースで提供されてきており、それらは、たとえモニタリングの要件があってもほとんどモニタリングされていない。さらに、朝鮮軍部は、国内の収穫物に対して最優先の入手権を持っている。それなら、なぜ、国連の食糧援助が横流しされていると考える必要さえあるのだろうか?

人道支援組織は、多国間援助の有効性をモニターするために一層の立ち入りと一層の自由を催促しつづけている。他の援助受け取り国で一般的であるような活動環境を、という要求が満たされるまで、援助国の考えの中に疑念は残るだろう。しかし、我々を朝鮮に迎え入れていることで、弱い人々はより良く暮らしていることを、我々は明らかに証明してきた。

(筆者は、朝鮮における国際連合人道調整官。)