朝鮮民主主義人民共和国 国連人道調整局 情勢広報 2004年8-9月

DPR Korea OCHA Situation Bulletin Aug/Sep 2004

http://www.reliefweb.int/w/rwb.nsf/6686f45896f15dbc852567ae00530132/b26cf8078533778ac1256f31004b42cf?OpenDocument

2005年度CAPと人道支援

8月、朝鮮政府は2005年度の合同要請(CAP)文書に参加も支援もしないという発表があった。9月15日にはチョン=ユンヒョン水害対策委員会外務担当理事が国際人道支援諸機関に対し、朝鮮政府が2005年度の合同要請を支援しないと決定した理由を以下のように説明した。

またモニタリングや訪問における段階的な手続きを簡略化し、官庁役人や市民など朝鮮側の担当者の必要に応じて国際職員の数を削減するよう、国際機関に対しチョン=ユンヒョン氏は要請した。しかし朝鮮政府は諸外国や国際諸機関と一対一の協力を行う用意はあり、モニタリングおよび訪問を簡略化した上での支援はどのようなものでも受け入れたいとしている。特に地域の生産能力強化に的を絞った開発指向の支援や技術協力は歓迎している。

国連諸機関やNGOが集まり、国際援助機関を代表してこの問題について毎週議論を行った。またその会議の報告を諸機関に公開した。結果、公式のCAP 文書は作成しないものの、通常の部門別会議を通して2005年度も各々の活動の調整を続けることが合意された。

ジャンージャック=グレイスWFP事務局次長を団長に、機関間常設委員会(IASC)上席代表の一行が10月26日から30日まで平壌を訪問し、今後の人道支援に向けた運営上の問題などを政府と議論する予定である。

食糧援助連絡班(FALU)

FALUの活動内容を以下に簡単に記す。

1996年、複数のNGOが食糧援助連絡班(FALU)を設立した。朝鮮におけるWFP体制の傘下にありつつも、別個の独立団体として位置づけられ、人道支援に関する計画立案やモニタリング、報告などを通じて、朝鮮に常駐しないNGOを支援している。そこでは通常のNGOとWFPの協力形態とは逆に、NGOがWFPを「実施機関」として活用している。FALUの運営資金は以下の2団体の正会員と、同じく2団体の準会員からなる協議体によって拠出されている。

最近FALUに多大な貢献をしたNGOとして、他にメノナイト中央委員会(MCC、カナダ) とCARITAS(ドイツ)が挙げられる。

FALUは朝鮮への救援物資についてあらゆる面でNGOに助言を行っている。地域別な支援対象者の絞りこみ、支援物資の適切な選定や支援のタイミングに関してなどである。さらに大切なのは、FALUは物資の配布や使用、その効果を観察し寄付者に報告しているということである。(朝鮮全土に5 箇所の地域事務所を擁する)大規模なWFPのモニタリング・ネットワークの一部として、常駐していないNGOに様々な便宜を提供している。

社会的弱者層への支援に関しては、保育所や全寮制学校の生徒、高齢者、聴覚障碍者やその他特別な支援を必要とする人々など、「新しい」弱者層への支援を先陣を切って行っている。

健康と栄養

WHOによる郡立病院の機能強化活動について。15箇所の郡立病院の手術室を復旧し、手術用器具を提供する事業はまもなく完了する。対象となったのは咸鏡北道の病院などである。この事業の結果、手術環境が改善され、電気と水道水が供給され、一年を通して手術ができるようになった。事業はECHOから資金援助を受けて実施された。

WHOの結核プログラム。プログラムの効果を測り、その問題点を明らかにし、教訓を得てさらにプログラムの質を高めるため、モニタリングと評価を更に実施しなければならない。が、プログラムの進捗を評価する為に必要な疫学データが現在非常に少ない。モニタリングの重要性を訴えるため、WHO東南アジア地域事務局(SEARO)は9月にニューデリーで結核の疫学調査に関するワークショップを開催し、朝鮮からは4名の参加があった。ワークショップでは現在の結核調査の長所・短所について議論された。

UNFPAピョンヤンはECHOから資金援助を受けた事業を9月に完了した。この事業では性と生殖に関する健康を地域レベルで改善するために医薬品提供と医療従事者の技能向上に取り組んだ。外部評価が行われ、事業が成功であったことが明らかになった。また事業は国の医療従事者の知識や態度にも影響を及ぼし、現在の医療システムに大きな変化をもたらすこととなった。支援の相手方との交流や信頼醸成を通してのみ、事業が朝鮮側に受け入れられ、関与を深めることが可能となるのである。

UNFPAの支援活動に対する総括が行われ、平安南道および咸鏡南道、江原道での活動評価書の暫定版が発行された。また2005年度も活動を継続し、母体の健康管理や避妊薬の利用の改善に取り組むことが決定された。

ADRAはドイツ外務省から資金を援助されて行っていた衛生・栄養器具の配布事業を完了した。咸鏡南道と黄海北道の22箇所の郡立病院に多目的石鹸や洗濯石鹸、抗菌石鹸、高栄養強化食品などからなるセットが配布された。

救急施設の患者に対してこれらの栄養食品を十分に提供するのは、患者が快復し抵抗力をつけるために死活的な事である。しかし朝鮮の郡立病院では量質ともにこれらが不足している。ADRAの栄養セットは入院・通院患者双方を対象にしたもので、危険な状態にある通院患者にこの栄養食品を処方したため、栄養失調の治療のため入院しなければならない患者の数を3分の2まで減らすことができた。たとえ入院してもその期間は半分にまで短くなり、ともに医薬品の節約にも多大な効果をあげている。

郡立病院はADRA以外からは衛生用品の供給を受けておらず、そのため交差感染率が高く、不衛生な環境が引き起こす感染症で治療期間も長引き、一般住民に対する保健医療制度も信頼性を欠いている。このようなことから、保健部門に貴重な物資を投入しても効果が上がらなくなっている。衛生用品が利用できるようになって以来、歯科治療や母体健康診断などにかかる患者の数が目に見えて増えてきた。医療器具や包帯、リネン類から不快な臭いや汚れがなくなったからである。住民が医者に早期にかつ頻繁にかかるようになったため、健康状態は大幅に改善され、基礎治療の費用も削減できたと報告されている。

洗濯石鹸が利用できるようになり、リネン類は従来より頻繁に洗浄されるようになった。それまでは毛布は月2回、シーツと枕カバーは10日に1回洗われていた。洗濯用品が利用できなかったため、それまでリネン類は水のみで洗われていた。抗菌のために熱湯につけられてはいたものの、細菌が残りがちな見えにくい汚れは落ちず、患者が入院を敬遠する原因となっていた。今回支援を受けた病院では、この夏、リネン類や再利用タイプの包帯が原因とみられる交差感染はほぼ無くなった。職員間の接触による交差感染も、抗菌石鹸による手洗いを普及させたことで大幅に減少した。一部の患者には、自宅で傷から感染しないよう、抗菌石鹸を自宅での手洗用に提供した。その結果新たな感染で患者が病院に逆戻りする事態が減ったとのことである。

この事業は限られた資源をより効果的にするという点で成功を収めた。また衛生・栄養の分野に低額でも投資を行えば、保健・福祉関連へ投入した資源の効果を増大させる相互作用効果が生まれることも実証された。

ADRAは朝鮮の保健部門での活動に注力しており、2004年4月の壊滅的な竜川列車爆発事故を受けて、竜川郡新病院の設計・建設や育児施設・小児病院の復興などに取り組んでいる。太陽熱や、病院におけるバイオガスを利用した廃棄物管理・エネルギー生産システムなど、朝鮮のために開発された低コストな持続可能技術の開発事業にも参与している。

食糧援助

WFPの活動について。8月から9月にかけては90万人を除く全ての支援対象者が穀物の配給を受けた。今後数週間のうちにWFPに届く食糧によって、10月半ばから2005年初頭にかけて全ての対象者に支援食糧を提供出来る上、多額になった(訳注:朝鮮政府からの)借入金を返済することが出来るようになる。全ての支援対象者に計画的に支援食糧を提供出来るのは、この2年間無かったことである。しかし少しでも物資が遅れれば、支援が削減されることにはなる。

WFPの事業を総括する。8・9月に公共配給システム(PDS)を通じて配給された支援食糧は、郡によって様々であった。多くの地域では7月に一人一日あたり300g 提供していたものを350gに増やすことが出来たのに対し、300gのままであったところや250gに減らしたところもある。その内容は各々の地域で生産されたじゃがいもや小麦、大麦がほとんどであったが、郡によっては韓国政府との二国間取り引きで借り入れた米を配給し始めたところもある。ここ二ヶ月で米の市場価格が1kg240ウォンから700ウォン以上(4.30アメリカドル)と三倍に上がっており、そのため米の配給は大いに家計の助けとなる。更に米は朝鮮人に何より好まれる主食であり、食糧に困っている家庭は、配給の米をより多くの玉蜀黍など、人気のあまりない主食に物々交換することができる。家族は自分達の食糧を増やすことが出来るわけである。

端境期である5月から8月の食糧摂取量を調査するため、111 -24時間想起式聞き取り調査(recall interview)がNutriSurveyを用いて行われた。調査により、PDSに依存している妊婦が必要栄養量の75%しか摂取できていないことが判明した。一食に相当する一日600kカロリーが不足していることになる。にもかかわらず、妊婦たちの微量栄養素の摂取量は比較的良好である。夏季は生の果物や野菜を食べることができる上、WFPから配給される栄養強化混合食も効果を上げている。しかし鉄分や葉酸、カリウム、カルシウムは一日あたりの推奨摂取量を下回っている。公衆衛生の観点からも、胎児の発育のためにも、鉄分と葉酸の不足は懸念されるものである。

労働のための食糧(FFW)に関して。秋季は106郡でFFW事業を行うことが決定した。事業全体に約2万トンの食糧が配当される。新しい脆弱性リストに基づき、このうち80%が最も深刻な状況にある80郡に割り当てられ、残りの20%はおもに北東部など、比較的軽微な郡の分となる。春季にはこれら北東部の郡の多くが最も深刻な地域とされていた。9月、FDRCは秋季事業として79のFFW事業計画をWFPに提案した。その総需要量は2万150トンである。9月13日にWFPは同提案の事前現地調査を始めた。その結果は事業評価委員会に送られ、10月に最終決定される予定である。

WFPの地域食糧生産活動に関して。8月の総生産量はビスケットや混合食糧、米・牛乳混合食、麺などで5780トンであった。これはEMOPの月別総需要の90%にあたる。9月は5000トンを生産した。EMOP比85%である。

9月に混合食糧生産が落ち込んだ主な原因は玉蜀黍と大豆の供給が中断したことにある。このため玉蜀黍大豆ミルク(CSM)の生産が低下し、新たに建設されたフチョンの穀物ミルク(CMB)工場が操業を開始できなかった。同工場が稼働すれば、毎日100gの栄養強化CMBを西海岸地域の約20万人の子どもたちに提供できるようになる。

ビスケットを包装する内袋の確保が遅れたため、ビスケットの生産量が低下した。内袋は輸送中にビスケットが崩れてしまわないようにするもので、ビスケットはそれに入れてから箱詰めされる。ビスケットを小学生たちに継続的に届けるため、当面はビスケットを箱に直接詰めて生産を続ける。

ハムフンの麺工場では乾燥室の再建が終了し、9月から乾燥麺の生産を再開した。

玉蜀黍と大豆が9月以降平壌やハムフン、チョンジンのCSM工場に届き始めている。大豆の在庫は年末まで、玉蜀黍は2005年3-4月の生産まで確保できている。

オーストラリア外務大臣の夫人であるNicky Downer氏が8月に平壌の麺工場を視察した。その後オーストラリア政府はLFP工場用として300万ユーロ相当の小麦粉を援助すると発表した。

物資の到着について。ロシアから小麦、オーストラリアから小麦粉、アメリカから豆類・野菜油・玉蜀黍大豆混合食が届いた。9月には日本からの支援物資の第一便が到着し始めた。12月までに合計12万5千トンが届く予定である。

Deutsche Welthungerhilfe (DWHH/GAA)が、ドイツ外務省の資金援助を受け、5月から10月まで平安北道で食糧援助事業を行っている。事業は子どもや妊産婦など、最も食糧難が深刻な層を対象に、、一年で一番食糧を得にくい5月から8月の端境期の食糧状況を改善することを目標としている。特に朝鮮国内からは供給できない栄養強化油やヨウ素添加塩、緑豆などを重点的に提供している。これらは微量栄養素を多く含んでおり、胎児や新生児の成長に重要な役割を果たす。

女性が簡単に食糧を調達できるよう、新たに食糧配給所を設置した。各市に二三ヶ所ずつ、計90ヶ所を新設した。配給の全ての段階に記録システムが導入された。加えて家庭レベルでの食糧事情を調査するため、48名の女性に訪問聞き取り調査を行った。結果は家庭によりかなり多様で、居住地域(都市か農村か)や家庭菜園・家畜の有無、農村地域の親戚からの援助の有無によって様々であった。さらには私的な援助と市場が主食の供給に重要な役割を果たしていることも分かった。

DWHN/GAA。「黄海北道地域共同農場・郡作業場復旧事業」が8月に始まった。資金提供元はEuropeAid及びドイツのAgro Actionである。

朝鮮の農業生産は他のアジア地域に比べて高度に機械化されている。中央計画経済の失敗以来、共同農場では農業機械を補修するための予備の部品などを確保することが困難になっていた。そこで今回の事業では34ヶ所の共同農場の作業場と4ヶ所の郡所属の作業場を復旧することで、事業対象郡と共同農場の食糧状況の改善を目指した。農業機械の補修に必要な機械や道具を農場に配備するほか、ピストンやベアリング、タイヤなどトラクターに必要な部品を揃えることも、トラクターなど機械類の運用期間をのばすために重要である。

この事業の一次受益者は11万8千名である。国全体の食糧生産にとって重要となる道で行われた。

水・環境衛生

Concern。ドッチョンとホイチャンにおける水衛生事業は8月から9月の間に完了した。第二期の事業に対するECHOの資金援助の確定待ちである。

Triangle。平安南道の8ヶ所の共同農場と1ヶ所の郡立病院における水道事業。ECHOから資金援助を受けたこの事業の任務は、揚水場から各家庭の外まで設置されている水道設備を復旧することである。FDRCが家から水道まで水道管を直接繋げる作業を担った。

Triangle。学校や病院など様々な施設に、バイオガス、移動式便器、エコサン式便器(水を使わない堆肥化トイレ)を設置した効果を調査する事業を行う。

Triangleはピョンウォン郡病院とソングソ共同農場に試験的に太陽熱揚水システムを導入している。

農業

FAOの活動

この間、農業省及び水産省、国土環境保護省などとの技術協力事業(TCP)7件が実施もしくは完了した。意義深いことには、有機栽培を導入した環境保全型農業の先行事業が、夏季の高収穫を実現できた。山羊飼育センター及び水産養殖腑化場、土壌試験施設の三ケ所で行われたものである。

スウェーデンおよびフィンランド、ノルウェー、ルーマニアが支援する緊急事業は肥料及び緑肥種子、トラクター、脱穀機、ビニールカバーなどを調達した。地方の都市部において学校菜園の先行事業が開始され、ビニールカバーや園芸道具が配布された。

2004年度CFSAMについて。FAO・WFP共同収穫・食糧供給調査団(CFSAM)が9月下旬に到着した。初夏の洪水により春季の収穫(小麦や大麦、じゃがいも)が下回ったにも関わらず、夏季の収穫(玉蜀黍や米、大豆)状況は概して2003年と変わらないものとなったこと、更に徐々に状況は回復しつつあることが早い段階で分かった。CFSAM報告書は10月下旬に発表される予定である。

鳥インフルエンザについては2004年春季の時点では発症例は無いが、2004年冬から2005年春にかけて蔓延する可能性を考慮し、動物医療の改善や農業省内のウイルス判定・分析施設の改善などの予防策が採られている。近隣諸国も参加して医療訓練を行う事業を進めている。

リョンチョン農業大学の支援。FAOは、2004年4月の列車爆発事故により大規模な被害を受けたリョンチョン農業高校への支援を呼びかけた。それによると、建物再建のための建築資材や研修用設備が必要である。ポーランド政府が11台のコンピュータやプリンタなど諸設備を二国間契約で援助した。

8月にFAO事務局長が訪朝した。

農業部門の調整について。FAOは朝鮮における農業部門の支援活動では中核的な立場となっている。この部門に携わる諸機関で毎月第二金曜日に会合を開いている。最近の主な議題は地力維持や環境保全型農業、総合防除(IPM)の範囲での農薬・有害物質の削減・適正利用などである。

Triangleの2004年度営林計画について。朝鮮の再森林化計画を補強する為、Triangle GHは今年6ヶ所の営林所と共同で事業を行った。合計272ヘクタールの森林が改良され、標本樹木の生存率も向上し続けている。

Triangleの平安南道ピョンウォン郡干潟再生計画について。EC食糧安全保障局が資金援助するこの30ヶ月間の計画は2005年12月に完了する予定である。設備の搬入および訓練・調査が完了し、今年初頭に建設の段階に入った。ダム建設に関しては、掘削がほぼ完了し、間もなくコンクリート注入作業が始まる。計画の技術面を朝鮮側で担当したPolder Enterpriseとの技術協力がこの計画の正念場となる。ユーリョン干潟の4,500ヘクタールの耕作可能地の保護はともかく、朝鮮側担当者が新型機械を利用し、メンテナンスの訓練を受け、ヨーロッパの技術者との協力を通じて技能を向上させたことが大きな成果である。

ADRAはAusAIDを通じてオーストラリア政府から資金援助を受け、ウンジョン共同家庭用バイオガス事業を完了した。環境破壊を防止し、農業の生産性を上げ、一年を通じて利用できる家庭向けの持続型エネルギー源となるというバイオガスの費用対効果を実証することが、この事業の目的である。その為に7軒の家庭にそれぞれバイオガスの醗酵槽を設置した。バイオガス施設は野菜栽培用の温室及び醗酵槽用ヒーター、豚小屋、家庭用便所、ガス管・バルブ・ストーブやランプなどのガス設備から構成されている。

農村地域におけるエネルギー不足がその地域の住民の快適な生活、ひいては朝鮮全体の持続可能な発展を根本的に阻害している。バイオガスは朝鮮ではよく知られたエネルギー形態である。しかしこれまでは同国の気候が寒冷であり、また設備の設計も悪かった為に実現可能な解決策とはなっていなかった。ADRAが開発したものは外気温が-20度を下回っても効率よく機能している。

醗酵槽だけでも家庭の木材消費を三分の二まで減らし、一世帯が一月当たり2.6日分の労働力を節約して農作業にあてることができるということがこの事業により実証された。仮に一つの共同農場に750軒の世帯があるとすれば、この数字は農場全体では一月当たり1950人日となる。平均的な世帯では毎日の木材消費が30kgであるため、もし全ての共同農場に属する全ての世帯がバイオガスを利用可能だとすれば、一日当たり15トンの木材を節約することができることになる。現在のところ、暖房や調理に使う木材を収集するのに各世帯が歩く距離は毎年1kmずつ伸びている。だが木材消費の削減により、環境への悪影響を食い止めることができる。またADRAが将来の事業で導入できるとしているストーブは木材燃料のエネルギーを15%増やすものだが、これを使えば、おそらくは持続可能なレベルにまで木材消費を削減することができるであろう。これらの利点に加えて衛生的な便所で衛生状態を改善し、生ゴミを素早く処理して安全なアルカリ性肥料にして、温室などの冬季の菜園施設や温暖な豚小屋、さらには調理・照明・暖房用に無制限なエネルギーを利用するようになれば、農村地域の生活や福祉は大幅に改善されると思われる。

この事業が目覚ましい成功を収め、バイオガスへの関心も高まった(首相官邸から農村世帯に至るまで)ため、ADRAは、環境保護および農村の生産力向上において所期の効果を達成できる程度にその規模を大幅に拡大して、新たな事業を計画している。しかし資金確保は最低限の水準にも達していない。ADRAではこの事業で得られた経験に加え、OCHAが資金援助する共同体規模のバイオガス施設や太陽熱などの他のエネルギー源、更に現在進められている地熱利用に関する研究なども共に考慮し、農村人口の85%が享受できるようになることを目標にした計画を立案する方向である。

教育

UNICEFによるリョンチョン緊急情報。教育施設への物資の支援が進んでいる。物品の注文は大体完了している。復興事業も進行中である。

学習評価センターが教育学アカデミーに新設され、コンピュータ8台などIT機材が提供された。

試験前の学習成果を評価する事業計画が11月から行われる予定。

DWHH/GAAが進める「リョンチョン地域社会施設の列車事故復興」事業PRK1026は中心部にある二ヶ所の学校と一ヶ所の幼稚園の復興を目指している。資金はECHOとDWHH/GAAが援助している。進捗については、主要施設の建設はほぼ完了し、9月初頭から児童達は学校に復帰している。事業が完了すれば、悲惨な事故にあった2400名の児童と350名の幼稚園児が、より良い環境で生活し、学ぶことができるようになる。

赤十字の事業最新情報

朝鮮赤十字・赤十字連盟による健康増進活動が8・9月に行われ、平安南北道の280名のボランティアが、水を介した感染症に関する研修に参加した。共同体における応急処置(CBFA)の研修も220名のボランティア及び救急処置従事者向けに実施された。

水及び衛生について。30箇所の上水道設備が完成している。67,200人以上に水を供給できるよう、今後数カ月の間に設備を拡張する予定が組まれている。更に10箇所が建設予定である。

災害管理。2004年度の朝鮮赤十字の目標の一つに支部の機能向上がある。8月には災害管理に関する研修を催し、水害に弱い地域から25名が参加した。

リョンチョンでの活動について。新義州と平壌の赤十字災害準備倉庫に、オランダ赤十字より寄附された災害時用物資(毛布・水のジェリー缶・防水シート・調理用具など)を補充した。これらは将来の災害時に役立てられる。

リョンチョン市の上水道設備に使われる物資の移送が完了した。地域の住民に加えて赤十字支部や市役所のボランティアが計画に沿って堀の掘削を始めている。