朝鮮民主主義人民共和国 情勢広報 2005年2-3月

http://www.reliefweb.int/rw/RWB.NSF/db900SID/VBOL-6BUE6C?OpenDocument&rc=3&cc=prk"

朝鮮における鳥インフルエンザの発生

朝鮮国内で初めての鳥インフルエンザが平安道の三ケ所の養鶏場で発生した。 3月27日に政府が発表したところによると、最初の発生は2月25日であった。農 務省と厚生省は即座に対策を採り、鳥インフルエンザが発生した養鶏場の周囲 に防疫線を設置した。人体への感染は報告されておらず、鶏の処分にあたった 職員にも医療関係者にも症例はない。

今回の発生は当該の養鶏場に対しては壊滅的な打撃となり、少なくとも21万9 千羽が処分された。近年朝鮮では養鶏業が伸びており、生産高は1997年から 2004年までに倍増して年間約2千500万羽の増産となっている。かなりの数の鶏 を韓国に輸出する計画があったが、今回の発生を受けて延期された。

政府当局が国際支援を要請したのを受け、世界保健機構(WHO)と食糧農業機構 (FAO)が支援を実施した。両機関は鳥インフルエンザの専門家を派遣し、ウイ ルス株を特定するための専門知識を提供した。またFAOは農務省獣医学検疫所 に臨床試験や分析、研修などの支援事業を行った。実施にあたってはWHOと緊 密な協力関係が採られた。公共衛生省の医療・臨床担当官も同じ研修に正式に 参加した。

WHOは分析用装置と試薬や専門ガイドライン、防疫・検疫機能の強化策、個人 用防護用品(PPE)、抗ウイルス薬、緊急分析セットを提供した。

発生したウイルス株はH7N7という、インフルエンザ型の症状を引き起こすもの であることが確認された。一方カンボジアやタイ、ベトナムで猛威をふるった とされるのはH5N1型である。朝鮮でのH7型に対する直近の課題は、本来「安 全」とされていた養鶏場にウイルスがどのようにして入り込んだのかを解明す る事、現地の調査機能を向上させて鳥インフルエンザの感染規模を特定する事 である。H7型はこれまでにカナダやオランダ、アジアの一部で確認されている。 ウイルスが朝鮮にどのような経路で到達したかについては、渡り鳥から感染 したのではとの不確かな推理もあるが、現在も調査が続けられているところで ある。

特集 カリタスのプレス・リリース

朝鮮でのカリタスの活動 10周年に

ダンカン=マクラーレン・カリタスインターナショナル事務局長は、二度目の 朝鮮訪問となる今回、カリタスが朝鮮で支援活動を始めて10年になるが、 依然として支援の必要性は大きいとして、以下のように語った。

「5年前に私が訪問してからの間に、良い変化があった。2002年7月の経済改革 の後、経済に動きが見られた。通りでは多くの商売なり自転車なりを見かける ようになった。しかしながら、持てる者と持たざる者の間の格差は拡がりつつ ある。カリタスの支援により良い結果が出ているのは喜ばしいことだが、依然 支援が必要なのは明らかだ」 マクラーレン氏とともにカリタス香港のKaethi Zellweger氏も訪問した。 Zellweger氏は朝鮮におけるカリタスの事業の担当として、1995年以来何度 も同国を訪問している。両氏はパートナー機関である水害復興委員会(FDRC)の 委員と面談し、東海岸の咸鏡道で行われているカリタスの事業を視察した。カ リタスは主に孤児などの子どもや妊産婦など数十万人に食糧を提供し、共同農 場の増産を支援しているほか、保健部門の事業も行っている。(以下略)

保健・栄養

UNICEF・WFP 2004年栄養評価

(省略。報告書の内容はリリース「朝鮮の子どもの 栄養状況 やや改善あるも、支援の継続必要」( 原文)を参照のこと。)

報告書は3月7日に北京でWFPとUNICEFが共同で発表した。報告書の主な内容は 北京の支援者にも紹介され、好意的に受け止められた。3月9日にはピョンヤン で発表され、10日には朝鮮で活動する他の国連機関やNGOに紹介された。北 朝鮮に駐在する諸機関の健康・栄養部門会議でも発表された。また介護者や道 機関向けの教材にも報告書の主要部分が盛りこまれている。公衆衛生省は近日 中に政府諸機関の高官に報告書を配布する予定を立てている。

UNICEF 栄養失調の予防と抑制

小児および妊婦、授乳中の女性への栄養強化食の配給は、WFPとの共同事業と して続けられている。これを補完するため、微量栄養素の複合栄養剤を妊婦に、 鉄分や葉酸の栄養剤を妊婦以外の女性に提供し続けている。

UNICEF 予防接種の改善

現在朝鮮では感染症対策局と中央医事局の両方が、ワクチンと注射器や安全 箱などの備品の配給任務に携わっている。この両機関の配給システムをどのよ うに調整するのが最も適切か、UNICEFと公衆衛生省との間で議論が行われた。 結果、UNICEFの提案が採用され、同省は各道の医事局に以下のように指示した。 「感染症対策局のワクチン配布計画を受けてのみ、ワクチン機器を配布するこ と」各地域でのワクチン機器の不足や過剰をなくす上で、今回の同省の決定は 非常に効果的と言える。

UNICEF 母性の安全

郡や里の病院や医院を特に対象にした、母性の安全のための新しい医療パック を公衆衛生省が開発している。また生殖の健康特別班が朝鮮向けの生殖の健 康増進計画を立案している。4月末までには原案が出来上がる予定である。

分娩経過図と出生前カードがそれぞれ3万枚印刷された。4月に保健医療施設に 配布される。

黄海南北両道の120軒の里立産院、5軒の郡立産院、2軒の道立産院に緊急産科 治療(EmOC)・安産キットが配布された。

UNICEF 必須医薬品

先日機関間調整会議が開催され、複数の機関により保健医療施設にそれぞれ配 給されている必須医薬品の種類の調整が計られた。関係機関は、施設へ配給す る医薬品は全て確定した主要必須医薬品一覧に掲載されたものにすることを再 確認した。

UNICEF 医療品の供給(ECHO拠出)

2月、CMWは平安北道および咸鏡南道、黄海北道の里立医院448軒、郡立・道立 病院39軒に医療キットを配給した。

UNICEF 備品の配給(日本政府拠出)

2月、CMWはクヮイル郡の32軒の里立医院とチャンギョン郡の24軒の里立医院に 助産キットを、ヘジュ黄海南道道立産院およびクヮイル郡立病院、チャンギョ ン郡立病院に産科用緊急治療キットを配布した。黄海北道では、トサン郡20軒、 クムチョン郡20軒、ヨンサン郡24軒の里立医院に助産キットが配布され、産科 用緊急キットをサリウォン道立産院およびトサン、クムチョン、チャンゴン各 郡の郡立病院に配布した。両江道の1036名(同道の全域に相当)と咸鏡北道4450 名(同道の94%に相当)の医師に医療キット(section doctor's bag)を配布した。

UNICEF F100の配給(ECHO拠出)

1月、CMWは第一・第二四半期分のF100を配布し、4月には第三四半期分の配布 を行う。CMWの復旧が3月半ばに開始され、棚やトラック、計算機の調達、帳簿 などの印刷などが一部完了した。5月か6月には顧問が現地を視察する予定であ る。一連の事業は全てUNFPAとの協力のもと行われている。

UNICEF 小児疾患の統合管理(IMCI)

2004年に実施された第一段階が成功したのを受けて、UNICEFは公衆衛生省・ WHOと協力して2郡の先行地域で第二段階を実施する。WHO地域事務所(SEARO) から外部顧問を招いて、6月に研修を行う。

UNFPA 速報

UNFPAの支援のもと2004年から行われていた、平安南道、江原道、咸鏡南道に おける性と生殖の健康(RH)調査は、4月には完了する見込みである。調査は生 殖の健康に関する知識、実態、関連するサービス、そして避妊の実践に関して 調べたものである。調査の結果判明したことは以下の通り。様々なHIV/AIDS予 防策に対する知識を提供しなければならない。妊婦の貧血を防ぐため、妊娠期 に90日間鉄分・葉酸タブレットを服用するようすすめなければならない。家族 計画も含め、生殖医療サービスにおける利用者の満足度を上げなければならな い。