朝鮮民主主義人民共和国:水害 国連人道調整局 状況報告書 第10号 2007年10月1日

http://www.reliefweb.int/rw/rwb.nsf/db900SID/KKAA-77L3UY?OpenDocument

朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の水害に関する本報告書は国連機関や国際赤十字連盟(IFRC)、事業支援隊体(PSU)と朝鮮民主主義人民共和国政府、OCHAアジア太平洋地域事務所(ROAP)から得た情報に基づいている。

状況

  1. 2007年8月7日から14日にかけて豪雨による大水害が朝鮮民主主義人民共和国の首都ピョンヤンなど9道を襲った。洪水により100万名に近い人々が何らかの被害をこうむり、17万名に近い人々が家を失い、少なくとも454名が死亡し、156名が行方不明になった。
  2. 中央統計局によると全壊した家屋は40,463軒、浸水は133,732軒、67,056軒の損壊を数えた。 学校や病院など数千棟の公共施設が全壊もしくは半壊した。少なくとも全耕地の10%が浸水した。
  3. 国営通信社の朝鮮中央通信(KCNA)の報道によると、9月17日から20日の間に台風ウィーパ(12号)による暴風雨が4道(黄海南北道・平安南北道)に深刻な被害をもたらし、インフラの復旧作業を遅らせた上に道路や鉄道を更に破壊した。全国各地で10万9千ヘクタールの耕地が新たに損害を受けた。
  4. 朝鮮赤十字社の推定によると、この台風により1,649名が家を失った(家屋1万4千棟が全壊)。ある地域では前回の水害後に復旧工事をしていた貯水池が今回の洪水によりまた破壊された様子を、IFRCの派遣団が目撃している。いくつかの地域では、前回の水害復旧用に用意された建設資材も流されたとのことだ。
  5. 政府の対応

  6. 朝鮮赤十字社のボランティアは早期警戒の時点で応急措置と住民の避難に動員された。IFRCが家を失った避難民用に日用品の救援物資を放出している。だが朝鮮政府側からは今回の台風被害への支援は特に要請されていない。
  7. 保健省は疾病がデータを収集中である。今回の台風被害地域の調査結果は来週前半に判明する見込みである。一次情報では、最も深刻な地域はピョンヤンの他、黄海北道と平安南道とみられる。水道設備に被害が及んだ地域もあったものの、保健施設については重大な被害は報告されていない。
  8. 国内での共同対応

    調整・監視

  9. 中央レベルでの朝鮮政府との協力関係は、今回に関しては従来よりも良好である。この事は、配給の監視・確認や初動調査の為の現地訪問が許可されやすくなっていることからも伺える。朝鮮政府は今回の水害緊急対策の間増派される国連職員へのビザ発給にも合意した。
  10. WFPが配給対象としている全37郡中の18郡で食糧配給確認の為の訪問調査を行ったが、その間の政府当局側の連絡・協力は肯定的な水準であった。訪問調査は10月中旬に再開し、事業の事後評価を2007年12月・2008年1月に行って効果の程を確かめ、今後の需要把握を行う予定である。(略)
  11. 緊急支援物資の監視作業(19郡を訪問)が、UNICEFが継続的に行っている支援者から の援助物資の定期監視事業の一環として行われている。例えば2007年の前半六ヶ 月の間、UNICEFは延べ87日間・67回の訪問調査を行った。多くの場合は国際職員 と現地職員により行われるが、政府側の職員が参加することもある。調査の結果 は報告書にまとめられ、所見や勧告、今後の対応策が明記される。調査内容に復 旧作業の点検が含まれている場合は、進捗チェックも報告に入ることになる。
  12. 援助物資配給の監視作業を行うUNFPAの臨時国際職員に朝鮮政府が追加ビザを発 行する。
  13. 国際医療援助機関との合同で現地訪問と影響評価を実施することの可能性について この度保健省と合意に達したが、これまでの慣例からして、これは顕著で喜ばし い変化である。同様の合意が都市管理省との間で為され、UNICEFと同省が行って いるポンプ場の水害緊急調査に海外の協力機関が参加することについて合意され た。
  14. 水道・衛生

  15. ポンプ場の緊急調査の詳細についてUNICEFと都市管理省との間で詰められ、26郡において調査が進められている。
  16. UNICEFはIFRCや都市管理省との調整の上、次亜塩素酸カルシウム100トンの配給計画を修正した。更に200トンをUNICEFが調達し、うち100トン分は今週到着する。総配給量は500万人半年分の需要を満たすよう計算されている。
  17. 今後の復旧作業として、ハムギョン南道ヨングヮン郡においてPSU2が共同洗面場用の水道を設置することが盛り込まれている。26郡で行われているポンプ修理の作業用として、モーターの部品が早晩国内に到着する予定である。PSU3はドクチョン郡で浸水したポンプ場の復旧作業を行っていたが、今回の豪雨により中断せざるを得なくなった。
  18. 健康・栄養

  19. PSU2は応急処置・家庭衛生キット4,700個と児童福祉キット275個、衛生キット5,500個(シンフン郡用)をハムギョン南道で配給中である。各里で配給する予定の医療キットが5週以内に届く見込みである。
  20. 資金計画案がECHOに最終承認されたのを受け、PSU1は11箇所の病院用のキット調達に乗り出した。
  21. UNICEFは従来事業の一環として必須医薬品1,125セットに加え、配給と今回の緊急支援として追加の450キットを配給している。
  22. 100万錠強の亜鉛錠剤が到着し、経口補水塩や下痢・衛生についてのリーフレットとともに配布される予定である。
  23. 被害が著しい20郡の中でも最も深刻な2里を対象に、1歳から5歳の子どもの上腕周囲径測定が行われる。10月11-13日にUNICEFが調査チームの研修を実施する。調査は10月15-17日に予定している。現在検討中の栄養補助剤配給の範囲は調査の完了を待って決定される。
  24. IFRCは水害被災地域において通常の医療キットの配給と備蓄の補充を行っている。UNICEFとWHOに提供される医師用携行医療セットの調達は、国連諸機関とIFRCが協働して実施する。
  25. 食料の確保

  26. WFPのもとに多くの国々から食料品が届いており、10月中旬に開始する第二次緊急食料支援に活用される。
  27. 農業

  28. FAOはCERF資金を活用して種子や肥料、ビニールシートの調達を始めている。
  29. 国際社会の対応

  30. 8月20日から始まったIFRCの550万アメリカドル相当の緊急支援要請は83%達成されている。委託されていた医薬品が予定より早く到着したため、緊急用のキットを節約できた。また水質浄化剤が予定より安く調達できたため、IFRCは約200箇所の医院の改装・改善を重点的に行うよう支援要請の見直しを始めている。
  31. 総額1410万ドル相当の緊急要請は35%の達成率となり、加えて478万ドル分がまだ実施されていないが確約されている。最新情報はOCHA資金追跡サービスhttp://Reliefweb.int/ftsを参照されたい。
  32. 国連緊急援助調整官は、農業および食料確保、健康・栄養分野における緊急対策 資金としてCERFからの300万ドルの拠出を承認した。