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石川県知事 谷本 正憲 殿

貴殿の発言に抗議し、謝罪を求めます

 私たち朝鮮人道支援ネットワーク・ジャパン(略称:ハンクネット)は、1990年代後半に朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)が自然災害と社会主義圏の崩壊によって深刻な食糧危機に陥り、多くの朝鮮人が飢餓状態に陥っていた時期に、朝鮮の乳幼児に粉ミルク支援を始めた市民団体です。以来、20年近くにわたって活動を続けてきました。
 谷本正憲石川県知事は去る6月21日、朝鮮のミサイル実験に関連して「兵糧攻めにして、北朝鮮国民を餓死させなければいけない」との発言をされました。
 これは朝鮮人を人間として認めず、自分さえよければ相手は殺してもいいという意味であり、日本国憲法と国際人権規約の精神に真っ向から反し、首長としての資格を疑わせるに足る、殺人と戦争を肯定する問題発言と言わざるをえません。  そもそも朝鮮のミサイル実験について言うのであれば、挑発し脅威を与えているのは、朝鮮の目と鼻の先で先制攻撃を想定した実戦さながらの軍事演習を繰り返すアメリカと、基地の提供や共同訓練などでそれに協力する日本であって、朝鮮ではありません。朝鮮戦争の休戦協定に違反して韓国に基地を置いて駐留を続け、朝鮮が求め続ける平和協定の締結を拒み、軍事的緊張を作り出しているのはアメリカの方です。朝鮮側は、ミサイル実験は国土防衛のための対抗措置であると明言しており、日本の原発を狙うなどとは言っていません。
 日本政府と自治体は、アメリカとの共同軍事演習に加わって日本を朝鮮との戦争に引きずり込むのではなく、アメリカに対して、軍事的対決ではなく、朝鮮との平和協定を結ぶよう全力で説得すべきです。また、根拠もなく朝鮮があたかも日本の原発を狙っているような発言をしたり、ミサイル避難訓練を実施するなどして、いたずらに県民の危機感や隣国に対する敵愾心を煽るべきではありません。
 日本は朝鮮を36年間にわたって植民地支配をし、多大な人的・物的損害を与えました。また、朝鮮戦争ではアメリカに協力して数百万人の朝鮮人の命を奪うことに手を貸しました。日本国民はそれらの加害について反省・謝罪・賠償をし、そのうえで対話による平和外交を通じて諸問題の解決に当たるべきです。制裁が何の解決にもつながらず、ただ東アジアに軍事的緊張をもたらすだけであることは、これまでの経過でも明らかです。
 このたびの谷本正憲石川県知事の「北朝鮮国民を餓死させなければいけない」という発言は、朝鮮を植民地にしていた時代と変わらない朝鮮人に対する排外意識に基づくものであり、自治体の長として市民の民族差別を煽り立て、朝鮮人の人権を蹂躪するものに他なりません。  私たちハンクネット・ジャパンは、谷本正憲知事の発言に強く抗議するとともに、人権蹂躪発言について朝鮮半島と日本に暮らす朝鮮人に対して真摯に謝罪することを求めます。


2017年6月26日

朝鮮人道支援ネットワーク・ジャパン(ハンクネット)
代表・竹本昇



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